26.交渉で大成果を生み出す九つのポイントとは?(4部)

さて、前回の3部に引き続き、

残りの2つについて解説いたします。

 

8.信頼関係を築こう

 

これも「当たり前じゃないか。」と思う人も多いと思います。

 

でも本当に信頼関係を築こうとしているでしょうか。

 

特に、商談の場では発注者側の態度に顕著に現れます。

 

相手に対する、

いわゆる業者扱いとか、取り込もうとするとか、

系列化に置こうとする、などです。

 

日本では、従来から系列や長期的関係を重視してきました。

 

だから、信頼関係が大切されてきたと言われています。

 

しかし、その心の奥には「支配と服従」がなかったでしょうか?

 

この行動原理のまま、海外に出て行って

失敗した例に暇がありません。

 

つまり、本当の信頼関係を築こうとは

してこなかったということです。

 

交渉が終わった後、勝ち負けからくる

征服感と屈辱感の気持ちが残るのはそのためでしょう。

 

そこで、お互いの交渉プロセスの奥にある人間性の

相互理解を行うことが求められます。

 

だからこそ、タフな交渉の後に

友情が芽生えることもあるのです。

 

9.性格ではなく役割で考えよう

 

交渉を苦手とする人は、その苦手な理由を

性格に求めることがよくあります。

 

確かにタフな交渉はストレスにもなります。

 

ゆえに、そのストレスに対処する

忍耐力や感情のコントロールを学ぶことは重要です。

 

しかし、性格は急には変わりません。

 

ですから、交渉する役割を担ったに過ぎない

と考えてみてはいかがでしょうか?

 

無理だよ!

と、思ったア・ナ・タ。

 

私たちは、知らず知らずに役割に応じた行動をとっています。

 

会社では、厳しい上司でも、

家庭では優しい父であり母であるように。

もちろん逆もありますね。

 

ゆえに、交渉も自分の役割と思って

取り組んでみてください。

 

その役割を上手に演じるための

知識や技術もあることですし。

 

是非、学習していってください。

 

さて、以上で「交渉で大成果を生み出す九つのポイント」を終了します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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25.交渉で大成果を生み出す九つのポイントとは?(3部)

さて、前回から「交渉での成果を最大限にするための取り組み」

についてお話しています。

 

全部で9つあるうちの5つまで終わっていますので、

残りの4つについて解説していくことにします。

 

それでは一つひとつ見ていきましょう。

 

6.トレードオフ(交換条件)を追求しよう

 

トレードオフとは、一方を追求すると他方が犠牲になることです。

 

交渉で言えば、あなたの重要条件と

相手の重要度の低い条件と交換することです。

 

また逆に、相手の重要条件と

あなたの重要度の低い条件と交換することでも成立します。

 

まあ、これでは低い条件を飲まされた方が

不満感を感じるでしょうね。

 

そこで、まずは条件の優先度を付けることです。

 

自分も相手もです。

 

相手の優先度は質問で聞き出すか、

複数の条件を組み合わせやオファーで

確認していくとよいでしょう。

 

ちなみに、お互いの条件の優先度が

異なりやすい場合が3つあります。

 

一つは、期待の違いです。

 

例えば、自動車の売買交渉です。

 

故障の発生度については、

お互いの認識が異なるでしょう。

 

ゆえに、

「こういう場合にはこうする。」

という項目を付けて合意するとよいでしょう。

 

二つ目は、リスク選好の違いです。

 

M&Aなどのときに、

リスク回避型、リスク中立型、リスク追求型、

などの態度がとられます。

 

この場合にも、先ほどと同様に

リスク配分と利益配分の条件を入れて、

合意をすることが考えられます。

 

三つ目は、時間選好の違いです。

 

よくあるのは納期ですね。

 

相手がこだわる場合には、

納期以外の条件であなたの優先度の高い条件を

引き換えにするとよいでしょう。

 

7.解決策の解決を探そう

 

要するに、合意をした後に、

合意で得られる利益や価値はそのままにしたままで、

他にお互いに追求できる可能性が

ないかを探そうということです。

 

例えば、金銭、時間、労力が

お互いにさらにカットできないかなどです。

 

元々の合意内容が変わらない前提であれば、

比較的話しやすく、お互いにメリットがある手段です。

 

ところで、あと2つあるんですが、

それはこの次に改めて記載しますね。

 

 

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24.交渉で大成果を生み出す九つのポイントとは?(2部)

さて、上記の1部に引き続き、

残りの6つについて解説いたします。

 

4.質問しよう

 

当たり前じゃないかと思う人も多いと思います。

 

しかし、そんな人ほど自分の交渉場面を録音してみてください。

 

結構、一方的に説明調でしゃべってますよ。

 

ちなみに、自分の交渉の録音は盗聴ではないです。

 

当事者録音と言って罰則の対象にはなりません。

 

ただ、証拠能力と道義的感情については?が残ります。

 

ゆえに、自分のためだけに使うのであれば何の問題もありません。

 

メモを取るのと同様です。

 

質問するときに重要となるのは、

知りたくないことを質問することです。

 

その知りたくないことが聞くべきことで重要です。

 

また、聞けないときはある程度自分の情報を

出してみるのもよいでしょう。

 

返報性の法則と言って、貸しを作りたくないので

ある程度はしゃべってくれたりします。

 

5.同時に複数のオアファーを出そう

 

交渉の条件を組み合わせることがある程度できるのに

単独の条件のみで交渉することあります。

 

例えば、金額と納期と品質です。

 

相手に金額を「まけてください。」と言われたら、

その金額についてのみ交渉をしていませんか?

 

そこで、我々としてはこの金額だと

この納期でこの品質になります。

 

と、最初に言っておいたらどうでしょうか?

 

「金額を安くしてくれ。」と言われたら、

「納期か品質、もしくはその両方が当初の条件より下回ります。」

という交渉ができます。

 

要するに、金額と納期、品質の組み合わせで

いくつかの案を作っておくことです。

 

しかも、いずれの案も総合的には

同じレベルにしておくことが重要です。

 

さらに、この交渉で相手が大切にしている

重要条件も見えてくるメリットがあります。

 

さて、あと残りが4つあります。

 

今回も長くなってきましたので

次回に解説をさせていただきます。

 

 

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23.交渉で大成果を生み出す九つのポイントとは?(1部)

さて、今回は交渉での成果を最大限にするための取り組み

について解説していくことにしましょう。

 

全部で9つあります。

 

それでは一つひとつ見ていきましょう。

 

1.技から科学へ-知識が助ける

 

交渉力もそうですが、これを鍛える最大の方法は

現場で繰り返すことです。

 

失敗と成功を繰り返して身につけたノウハウに

かなうものはありません。

 

しかし、これでは時間と費用が半端なくかかってしまいます。

 

ゆえに、これまで述べてきた交渉に関する知識と技術を

使っていくことが求められます。

 

例えて言えば、個人と集団のバイアスです。

 

自分が陥ってないかどうかを確認して

改善行動に結び付けていくなどです。

 

2.まず気づくこと

 

上記の1.で述べたように個人と集団のバイアスに

影響されていないかを自分自身で自己診断するなどです。

 

相手の診断もしてみてください。

 

しかし、重要なのはここからです。

 

相手の診断はできても自分の診断は

ななかなか正確にはできません。

 

例えできたとしても、悪い側面を認めることが難しいですね。

 

認めたくないだけで、ホントは分かってたりします。

 

ゆえに、言い訳をせずに正しいと思う行動をとってみることです。

 

慣れていないので失敗しますが、

それこそその失敗を言い訳にしないで、

やり続けるしかありません。

 

3.BATNA(代替案)を決めよう

※BATNA:Best Alternative to Negotiated Agreement

 

BATNA(代替案)とは、自分と相手の交差する交渉範囲で合意できない

ときの選択肢の中でも最良のもののことでしたね。

 

例えば、自分が80以下で合意したい。

 

相手は50以上で合意したいという場合です。

 

50から80までの間で合意すれば

お互いの納得度は高まります。

 

しかし、50未満であれば相手が、

80を超えると自分が納得できません。

 

そのときに、交渉決裂しても良いように考えておく代替案が

BATNA(代替案)でした。

 

自分のBATNA(代替案)を決めておくことも大切ですが、

相手のBATNA(代替案)も推測してみてください。

 

すると、どこまで譲り、どこまで要求するのか

という程度が見えてきます。

 

また、今後もお付き合いする価値があるのか

ということもBATNA(代替案)から判断ができるでしょう。

 

ところで、あと6つあるんですが、

それはこの次に改めて記載しますね。

 

 

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22.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(4部)

さて、前回の3部に引き続き、

残りの1つについて解説いたします。

 

7.便乗(ただ乗り)意識とコミットメント

 

人数が多いときと少ないとき、

どちらのときが全力を出しますか?

 

人数が多いと誰かが意見を言ってくれるだろう、

 

誰かがやってくれるだろうと、

どうしても手を抜きがちになりますね。

 

しかも、意見の調整や相手の出方を見極める度合いなども、

人数が多いときの方が手間がかかります。

 

結局、本来力を発揮すべき言動に力を注ぐことも

できなくなってしまいます。

 

つまり、コミットメント(取り組み意欲)に

差が出てくるわけです。

 

ゆえに、人数を少数にして交渉を行うか、

各人のコミットメントを常に把握しておく必要が出てきます。

 

さて、集団バイアスは以上になります。

 

次は、交渉での成果を最大限にするための取り組みについて

解説していくことにしましょう。

 

 

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21.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(3部)

さて、前回から集団バイアスについてお話をしています。

 

全部で7つあるうちの、4つまでが前回でした。

 

それでは、残りの3つについて解説していきます。

 

5.情報確認の誘惑

 

これは、「共有情報による枠づけ」と言った方が

分かりやすいでしょうね。

 

新しいことにチャレンジするより、

これまでの慣れた方法を続ける方が楽でしょう。

 

特に新しい情報に対しては収集、分析、判断など

にエネルギーが必要です。

 

また、その能力の欠如や感情的になるなど

自分の欠点が露わになる危険性もあります。

 

すると、既知の情報の確認に時間とエネルギーが割かれます。

 

しかし、交渉では新たな可能性を探り出さないといけないのに、

既知の情報だけを対象にしていては

より良い成果を出すことはできません。

 

ゆえに、既知の情報だけでなく新たな情報を

取り入れることが不可欠になります。

 

6.アルビーノ・パラドックス

 

5月のゴールデンウィークです。

 

普段忙しいあなたは、罪滅ぼしに

「ディズニーランドにでも行こうか?」と言いました。

 

でも、今から行っても道路は渋滞で、

パークも入場制限がかかっていることが予測できます。

 

しかも、疲れていたのでホントは家で

ゆっくりしていたかったんです。

 

それは、奥さん(旦那さん)もお子さんも重々承知しています。

でも、奥さん(旦那さん)が、

「せっかく言ってくれたのに反対するのも悪い。」

と気を使って、

「それは、よいわね。」

と、言いました。

 

すると、子どもたちも、

友達と遊んでいた方が楽しいのに、

「え、連れてってくれるの?」

と言いました。

 

というように意見がまとまって、

ディズニーランドに行くことになってしまったわけです。

 

しかし、道路は渋滞でパークは入場制限、

夕方になってやっと入れたもののすぐに帰宅。

 

また、渋滞。

 

つまり、善意に基づく迎合的なお互いの配慮が

集団の望まぬ意思決定に寄与してしまったわけです。

 

ゆえに、ときには「悪魔の弁護人」になることも大切です。

 

要するに、「あなたの意見には賛成だけど、

あえて反対意見を言うと・・・。」と言って

多数意見と異なる意見を述べることで

相手の気分を害さずに一石を投じることです。

 

ところで、あと1つあるんですが、

 

それはこの次に改めて記載しますね。

 

 

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20.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(2部)

さて、前回の1部に引き続き、

後半の5つについて解説いたします。

 

3.グループの極化現象

 

一般的には、上記のグループシンクによって、

独創的なアイデアが陳腐なアイデアになることが危惧されます。

 

すると、本来組織が持っている知恵の結集による

新たなアイデアの創出効果などが損なわれるわけです。

 

しかし、逆にこんなことが起きませんか?

 

新規事業の開発を行っているとき、

ある一人がポツンと、

「でも、結局は上につぶされるんだよな。」

と、言いました。

 

ホントはアイデアが陳腐だからこれまで承認を

得られなかったにもかかわらず。

 

だから、よいアイデアを出そうと

皆が頑張っていたんですが。

 

その意見に同調するように、一人、また一人と

賛成意見を述べる人間が増えてくると、

結局、「経営陣がバカだから。」なんてことで

話に花が咲き、批判の嵐になる。

 

よいアイデアが出ない言い訳でもあるんですが・・・。

 

結局は、本来の目的からずれた議論になってしまっています。

 

ゆえに、その結論が本来の目的にかなっているのか

という検証がここでも必要になります。

 

4.少数派が影響力を握るとき

 

これは、発端は上記の「グループの極化現象」

である場合が多いでしょう。

 

ただ少し違うのは、ホントはその結論には賛成ではないが

賛成しないと報復を受ける可能性があるので

仕方なく同意するという場合があることです。

 

穏便に話し合いで解決しようと思っていたところ、

どこかで小競り合いが始まり、それが広がって

大暴動に発展するというのが典型でしょう。

 

また、少数グループがなぜか主導権を

握ってしまう場合もあります。

 

これは、二つの対立するグループのうち

どちらかが少数グループを取り込むと

過半数になるような場合です。

 

少数グループだけでは意見が通らないものの

規模の大きいグループにつくことで

主導権さえ取ることができるんです。

 

ゆえに、少数派は多数派につくことで

主張を通すことができますし、

逆に、少数派を取り込むと

主導権を握られる可能性があることを

知っておく必要があります。

 

さて、まだ3つありますね。

 

ずいぶん長くなりますので、申し訳ありませんが

残りの3つは次回にさせていただきます。

 

 

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19.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(1部)

さて、前回は個人バイアスについてお話をいたしました。

 

今回は、二つ目の集団バイアスについて解説していきます。

 

全部で7つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.複数の人間の知恵を合わせる

 

何でこれがバイアス(落とし穴)なんだ?

と思いますよね。

 

普通、「三人寄れば文殊の知恵」というように、

一人で考えるより複数で考えた方が良いアイデアが出る、

ということで称賛されたりします。

 

しかし、

 

その反面、実は一人ひとりが交渉者なんです。

 

情報がすべてオープンになるとも限らず、

利害、権限、権力が交錯しますね。

 

たとえ、1対1の交渉であったとしても、

必ずしも決定権限があるとは限らないので、

上長に判断を仰がないといけない場合も出てきます。

 

つまり、複数の人間によって意思決定を行う場合には、

知恵を結集するという側面と

自分にとって有利に事を運ぼうという側面の

両方があるということです。

 

ゆえに、複数の人間によって意思決定を行う場合は

お互いの背景に配慮する必要があります。

 

2.同調を要求する圧力(グループシンク)

 

これは分かりやすいですね。

 

人が集まると、その中の関係性によって

どのように振る舞うのが妥当なのか、

明示的、暗黙的に示されたりします。

 

よい側面としては、意思決定までは時間がかかるが、

実行段階では合意が取れているので早くなる、

ということが挙げられます。

 

しかし、少数意見が採用されず、

集団にとって必要となるような独創的な意見は無視されます。

 

また、怖いことに、失敗しても放置される場合も出てきます。

 

ゆえに、元々の目的立ち返って

結論を検証してみる必要があります。

 

 

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18.交渉の落とし穴。個人バイアス六つのポイントとは?

さて、どんなに用意周到に準備をして交渉に臨んでも

落とし穴にはまってしまうことがあります。

 

では、交渉にはどんな落とし穴があって、

どのように対処すればよいのでしょうか?

 

大きく二つあります。

 

個人バイアスと集団バイアスです。

 

バイアスというのは落とし穴のことです。

 

ここではまず、個人バイアスから解説していきます。

 

全部で6つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.交渉は「奪い合い」か?

 

交渉というと「何をすること」とあなたは考えるでしょうか?

 

「駆け引き」とか「勝つか負けるか」かもしれませんね。

 

でも、本当にそうでしょうか?

 

一つのオレンジを分け合おうとしている姉妹が、

オレンジを半分ずつではなく、

皮と実で分け合うことでお互いが満足します。

 

つまり、目的から考えると両方が win-winになれる方法が

あるように、

ゆえに、必ずしも「駆け引き」や「勝ち負け」とも

限らないわけです。

 

2.行動のエスカレーション

 

あなたは一度決めたことを簡単に覆す人のことをどう思いますか?

 

「節操のない人」だと思わないでしょうか?

 

だからというわけではありませんが、

人は簡単に諦めない人を称賛します。

 

では、10年たっても司法試験などの難しい試験に

合格しない人のことはどう思いますか?

 

「諦めの悪い人」だと思わないでしょうか?

 

しかし、人は一度決めて始めたことを

簡単にはやめようとはしません。

 

そこにエネルギーをかけてきたからです。

 

でも、それは過去の話で取り返しはききません。

 

ゆえに、将来のリターンを考えて判断すべきでしょう。

 

3.枠づけ作用(フレーミング)

 

実験結果があります。

 

600人が死亡すると推定される疫病対策です。

どちらの対策を選択した人が多いと思いますか?

 

対策Aを採用すると200人が助かるでしょう。

 

対策Bを採用すると、3分の1の確率で全員が助かり、

3分の2の確率で全員が助からないでしょう。

 

さて、いかがでしょうか?

 

もう一つ。

こう言われたらどうでしょうか?

 

対策Aを採用すると400人が死亡するでしょう。

 

対策Bを採用すると、3分の1の確率で誰も死亡せず、

3分の2の確率で全員が死亡するでしょう。

 

前者は、対策Aを選んだ人が多く、

後者は、対策Bを選んだ人が多くなったそうです。

 

前者も後者も同じことを言っているに過ぎないのにもかかわらず。

 

つまり、「助かる」でフレーミングされたか、

「死亡する」でフレーミングされたかの違いです。

 

ゆえに、自分にとって「利益」になることが想定される

選択肢を出されると

確率は同じでも「不利益」になることが想定される選択肢を

出される場合よりも

選択する確率は高まるということになります。

 

逆に言えば、自分にとって「利益」になることが想定される

選択肢を出されたからといって、

必ずしもその選択肢が正しいとは限らないということです。

 

4.係留効果と調整

 

値切り交渉をしてよい場合、

あなたならまずいくらに値切りますか?

 

100万円の高級品の場合。

 

1万円の普及品の場合。

 

いかがでしょうか?

 

100万円の高級品をいきなり1万円に値切る人は

めったに見かけませんよね?

 

また、値切り交渉をしてよいにもかかわらず、

99万円からスタートする人もあまり見かけませんね?

 

1万円の場合も同様です。

 

妥当と思われる値切り幅で値切るのではないでしょうか?

 

つまり、示された条件を大幅に超えて交渉することは

あまりないということです。

 

ゆえに、条件を示すときに

高め誘導も低め誘導もできるということになります。

 

逆に、示された方は思い切った値切りを行うことも

手ということにもなります。

 

5.情報の誘惑

 

あなたの好きな異性のタイプを思い浮かべてください。

 

道を歩いているときに、

その好きなタイプの異性に目が行きますよね?

 

いつも時間に遅れない人が列車遅延で遅刻してきたときと

いつも時間に遅れてばかりいる人が列車遅延で遅れてきたときで

あなたの態度はどう変わりますか?

 

列車遅延なので条件は同じですが・・・。

私は、後者の人には冷たくしそうです。

 

つまり、人には受け入れやすい情報と

受け入れにくい情報があるということです。

 

ゆえに、強く印象付けるとか、頻繁に接触するとか、

「あいうえお・・・」や「ABC・・・」などの順番があるなら

最初の方に位置付けるなどの工夫で

選択されやすくなります。

 

逆に言えば、だからといってその選択が正しいとは

限らないということです。

 

6.自信過剰

 

一人で何かに取り組む時なら自信過剰も効果的ですね。

 

「できる」と信じて取り組むと達成することもままあります。

 

しかし、交渉はどうでしょうか?

 

相手がいます。

 

条件も変化することがあります。

 

そんなときに、自信過剰だと・・・。

「もっと、他によい手があったじゃないか!」

ということにもなりかねませんね。

 

ゆえに、一つことに固執せず他の可能性を

探ることが大切になります。

 

逆に言えば、自信過剰な相手には

当初の条件から大きく外れない範囲で

交渉すればよいことになります。

 

別の観点から相手に有利な条件を出す必要は

ないということです。

 

どうせ聞き入れてもらえないからです。

 

さて、個人バイアスは以上になります。

 

では、集団バイアスにはどんなものがあるのでしょうか?

 

 

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17.交渉に臨む際に準備しておくべき七つのポイントとは?

さて、交渉に臨む際に、どんなことを準備しておけば、

さらに交渉を有利に進めることができるのでしょうか?

 

全部で7つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.関心事項の準備

 

お互いの関心事項がどこにあるのかを

予測して準備しておく必要があります。

 

ところで、関心事項とは何でしょうか?

 

たとえば、「よいマンション」と聞いたときに、

どんなマンションを思い浮かべますか?

 

購買者は、住みやすいマンションを想像し、

販売者は、売れやすいマンションを想像し、

建築家は、技術の粋を凝らしたマンションを

想像したりしないでしょうか?

 

要するに、その人の価値観によって

関心事項は代わります。

 

ゆえに、お互いの関心事項がどこにあるのかを

予測して準備しておくことが大切になります。

 

2.提案の準備

 

関心事項ごとに何種類かの提案を

準備しておく必要があります。

 

自分にとって100点満点の提案から

0点の提案まで考えられます。

 

ただし、100点や0点では話にはなりませんね。

100点だと相手が0点になりますし、

こちらが0点だと相手が100点になってしまいます。

 

これでは交渉と呼べません。

 

そこで、少なくとも満足度の最も高くなる提案や

最も低くなる提案を相手が譲れる範囲とコチラが譲れる範囲から

考えて準備することになります。

 

3.代替案(BATNA)の準備

※BATNA:Best Alternative to Negotiated Agreement

 

代替案(BATNA)とは、

「提案が合意に至らなかったときに採用する案」

のことです。

 

ゆえに、提案の準備で考えた、

いくつかの提案のことではありません。

 

それは満足度の違いはあるものの

合意に至ることを前提とした案です。

 

ですから、代替案(BATNA)で満たされる満足度は

提案の準備で考えたもので合意した場合に

満たされる満足度よりも低くなります。

 

それでも、代替案(BATNA)の中では最高の満足度となる案を

考えておく必要があります。

 

交渉から手を引くときの切り札として活用できます。

 

これは、交渉相手の代替案(BATNA)もコチラが考えておくと

同様に使えます。

 

なぜなら、相手は相手の代替案(BATNA)を採用されるよりも

どんなに満足度が低くても本来の提案で合意できる方が

得だからです。

 

4.合法性の準備

 

交渉の価値判断を行うときに外部の標準があると、

公平性が担保しやすくなります。

 

ただし、一つの標準だけではなく、

複数の標準が用意できると一方的な判断に

落ちらなくて済みます。

 

そこで、どんな外部の標準を採用できるのかを

考えて交渉に臨むとよいでしょう。

 

5.対話の準備

 

どのように交渉を進めるのかというシナリオのことではなく、

聞くべきことや話すべきことの内容を考えておくことです。

 

そのことで、相手の出方によって柔軟に対応できるだけでなく、

交渉の重要ポイントをはずさなくて済みます。

 

特に重要なのは、聞く姿勢や話す姿勢です。

 

相手の言わんとすることを掴むという意識や、

コチラの言い分を理解してもらいたいという意識で

交渉に臨むことが求められます。

 

6.関係の準備

 

単なる交渉上の勝ち負けではなく、

どんな関係を相手と持ちたいのかということを

考えておく必要があります。

 

これが考えられていないと、単なる勝ち負けの交渉となり

「窮鼠猫を噛む」という事態にもなりかねません。

 

改めて、相手との関係を考えることによって、

 

誤解が解けてスムーズに交渉が進むことも考えられます。

 

7.執行の準備

 

交渉によって結論を出して終わりではありません。

 

実際に行動が伴って結果を出すところまで行って

初めて交渉が成功したと言えます。

 

ゆえに、執行に至るまでの計画を立てて問題を洗い出し

一つひとつクリアしていくことが必要になります。

 

さもないと、どちらかがすべきことが欠けてしまい、

新たな火種になることも考えられるからです。

 

さて、どんなに用意周到に準備をして交渉に臨んでも

落とし穴にはまってしまうことがあります。

 

では、交渉にはどんな落とし穴があって、

どのように対処すればよいのでしょうか?

 

 

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