16.交渉を有利に進めるための五つのポイントとは?

交渉を有利に進めるためには、

経験に頼ってばかりではうまくいきません。

 

ただ、同じ価値観の同世代人同士であれば

阿吽の呼吸も通用する可能性があります。

 

しかし、世代間ギャップが激しくなり、

単純な貸し借りが通用しないぐらいに世の中が

複雑化しています。

 

私とあなただけの問題ではなく

利害関係者が大勢いるということです。

 

さらには、海外との取引が多くなり、

日本人の曖昧な表現では

受け入れてもらえなくなってきています。

 

するとここに科学としての交渉理論が

研究され、発達していくことになります。

 

いかにして交渉を進めていくと有利になるか・・・。

 

その研究の一端を見てみることにしましょう。

 

1.人間関係と問題を分離する。

 

交渉においては、問題解決もさることながら、

相手との人間関係も重要な要素となります。

 

単純に、「もう二度と会わない」ということで

ハードに交渉する場合もあるかもしれませんが、

ほとんどの場合、次もありますね。

 

ですから、まずは目の前の問題のみに特化して

交渉を行うことが、人間関係を壊さない可能性を

高めてくれることになります。

 

2.自分と相手の感情に焦点を合わせる。

 

理性のみで交渉を進めることができれば

言うことはありません。

 

しかし、どこかに感情面の問題が顔を出すことがあります。

いらだちや怒り、不満や不安などですね。

 

時にはその感情をお互いに

ぶつけ合うこともあるかもしれません。

 

しかし、その感情が生まれた背景を

冷静に分析をしてみてください。

 

すると、そこに本当に言いたいことが潜んでいたりします。

 

特に、相手が感情的になったときには、

まず受け入れてください。

 

理解しようとする姿勢で臨むと、

「実は、・・・。」と言って

わだかまりの原因を話してくれることもあります。

 

3.一つの解決策で勝負しない。

 

自分にとって、最高のの解決策は一つです。

 

しかし、相手の出方によっては、その解決策では

対処できないこともままあります。

 

余裕をもって、対処するためにも解決策は

複数用意しておくべきでしょう。

 

4.解決策以上の解決策を考える。

 

特にいくつかの選択肢を出されると、

その中に正解が入っていると思いがちになります。

 

でもよく考えると、もっと他に

よい解決策がある場合もあります。

 

たとえば、オレンジを分ける場合です。

 

二つに分けるのではなく、皮と実で分ける方法もあるのに

それに気づかないのは愚かなことです。

 

5.客観的基準を利用する。

 

たとえば、人身事故で人が死亡した場合、

年齢や職業などで生涯賃金を割り出して

そこから損害賠償額をはじき出す方法があります。

 

中古品を売る場合には、・・・

購入価格から減価償却費を差し引くとか、

現在流通している中古品価格をベースにするとか、

現在の新品価格と比較するとか、

・・・いくつかの方法が考えられます。

 

いずれにしても、客観的基準を採用しようとすることで

交渉が相手のペースにならずに済みます。

 

また、どの基準を採用するのかということを交渉することで

交渉自体を公正に進めやすくなります。

 

以上の五つのポイントを押さえるだけでも

交渉を有利に運びやすくなります。

 

しかし、交渉には準備が必要です。

 

備えあれば憂いなし。

 

どんなことを準備しておけば、

さらに交渉を有利に進めることができるのでしょうか?

 

 

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15.決裂した交渉の打開策と交渉を有利に進めるための条件とは?

さて、交渉がいつもうまくいくとは限りません。

 

そこで、交渉決裂した時の留意点について

解説していくことにしましょう。

 

完全に交渉が決裂してしまえば、この交渉は終了です。

 

しかし、妥結点が見つからないまでも相互に何とかしたい

という気持ちがあれば対処の余地はあります。

 

いずれにしても、どんな状況かを見極めるがあります。

 

そこで、取りうる手段としては・・・

気持ちを落ち着かせることが大切ですね。

 

怒り心頭に達していては交渉の余地はありません。

 

落ち着いたら、話題を変えて、笑いに誘うのも一法です。

 

緊張感の中でいきなりは無理ですが、

落ち着いていれば可能性はあります。

 

さらに、あえてしっかりと相手の言い分を聴いてみるのも

よいでしょう。

 

案外、あなたにとって有利な条件を

出してくれていることもあります。

 

それでも、前に進まないようであれば、

後日に日を改めたり、交渉する場所を変えたり、

交渉する人を変えるのも趣が変わって有効です。

 

交渉内容に着目すれば・・・

交渉の目的を改めて確認してみるのもよいでしょう。

 

大きな観点から見てみると、こだわっていることが

些細な問題だと気づくこともあります。

 

また、目的にも絡みますが、あなたと相手の共通の敵を

確認することも有効です。

 

敵を倒すには協力関係が必要なので、

どこで譲歩するのかもおのずと見えてきたりします。

 

さらには、大きな争点は細かくしたり、

抽象的な争点は具体化したり、

その逆も考えられます。

 

また、主張している人が誰であるのかということは無視して、

単純に、争点のみを取り上げるのも重要です。

 

徐々に、言っている人そのものに

反対したくなることがあるからです。

 

最後に交渉を有利に進めるための条件を

いくつか紹介しておきます。

 

一つは「資格」です。

 

国家資格などがそれに該当します。

 

いわゆる正確な情報を持っていると推察されるからです。

 

この「資格」が相互に対等でないと有利な交渉はできません。

 

二つ目は「資源」です。

 

たとえば、今日中に決済しないと倒産してしまうという状況では

相手の条件をのまざるを得ないことになります。

 

つまり、時間や人、お金などがこれに相当します。

 

三つ目は「正当性」です。

 

一つ目の「資格」に近いですが、

役職や地位などがこれに該当します。

 

部長として、国会議員として、血縁関係がある者として、

などでがこれに相当します。

 

四つ目は「個性」です。

 

言い方を変えれば人間性ですね。

 

根気があって誠実な人柄であれば

有利に交渉が進められる可能性が高まります。

 

現実的には、これらの四つの組み合わせで、

交渉の実効性が変化することになります。

 

さて、それでは交渉に関しての全体像はここまでとして

いよいよ各論に入っていくことになります。

 

次回からは、交渉を理論としてとらえて、どのような考え方で

交渉を進めて行くと有利に交渉を進めることができるのか、

ということを一つひとつ見ていくことにいたします。

 

 

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14.フラットな姿勢で相手の意見をよく聴き納得感を高めよ!

それでは、交渉にも流れがあります。

 

そこで、その序盤・中盤・終盤でどのようなことに

気を付ければよいのか、

という解説に入っていくことにいたします。

 

交渉の序盤で注意すべきことは、まず素直に相手の言うことを

聴くということです。

 

ただし、すべてを受け入れろということではありません。

 

相手が何を言わんとしているのかを、

単に耳で聞くのではなく、

心で聴くということです。

 

さもないと、あなたにとって有利になる条件を提示

してくれているのに全く気が付かないことにも

なりかねません。

 

陥りやすいのは、決めつけですね。

 

あの人は東大出身だ。

東大出身者は理論的だ。

だからあの人には理詰めが成功する。

 

あの人の父親が社長をしている。

だから、若いけど地位が高いはずだ。

 

あの人はいつも正直だ。

そんなあの人が悪いことなどするはずがない。

 

相手がなぜか怒っている。

たまたま、機嫌が悪いんだろう。

 

決算期末は予算消化するものだ。

だから、決算期末は売り込みのチャンスだ。

 

上記の何が間違いかお分かりでしょうか?

 

冷静に考えれば、そんなこと言えるのかい?

というものばかりです。

 

しかし、とかく人は決めつけたがるものです。

そのことによって、正しい情報が得られず、

交渉を有利に進められなくなってしまいます。

 

ゆえに、決めつけは禁物です。

フラットな気持ちで交渉に臨みましょう。

 

また、しっかりと相手の言い分を聴くためにも

聴く姿勢が大切です。

 

これが中盤での注意点になります。

 

たとえば・・・

 

相手の言葉の続きを発するように促す。

分かりにくいところは詳しく説明を求める。

相手の言葉を解釈して伝える。

相手の意見に賛成の意を伝える。

相手の言葉を短くまとめる。

相手の意見の重要性を評価して伝える。

 

しかも、主語は極力、「私は、・・・。」

にするとよいでしょう。

 

「あなたは、・・・。」だと突き放す印象を与えかねません。

 

しかし、「私は、・・・。」だと相手の意見を

受け入れている印象を与えやすくなります。

 

最後に、終盤ですが・・・

交渉全体を振り返って問題の有無を確認してください。

 

特に、・・・

当初の目標との違いが無いか?満足のいくものか?

 

妥結点は実行可能性が高いものか?

相手を置いてきぼりにしていないか?

 

高い視点から得られた結論であるか?

交渉全体につじつまが合っているか?

 

お互いに納得のいくものであったか?

 

・・・などは、

 

交渉が終盤に近くなったころから、

終始、自問自答しておくとよいでしょう。

 

さて、次回はこの交渉がいつもうまくいくとは限りません。

 

そこで、交渉決裂した時の留意点について

解説していくことにしましょう。

 

 

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13.自分の損得だけに執着せず、お互いの目的を確認せよ!

前回までは、win-lose 型の分配型交渉について

解説をしてきました。

 

では、もう一つの交渉タイプである、

win-win 型の統合型交渉とはどんな交渉なのでしょうか?

 

交渉に入るときに、この交渉は分配型交渉なのか、

それとも統合型交渉なのかを判別することは不可能です。

 

交渉過程の中で徐々に明確になっていきます。

たとえば、ここに一つのオレンジがあります。

 

これを姉と妹で分け合うことになりました。

さて、どのように分け合うとよいでしょうか?

 

オレンジは、果物なので二つに割ることができます。

ですから、ナイフで二つに切れば

平等に分け合うことができます。

 

これで何も問題はありません。

つまり、分配型交渉で解決してしまいました。

 

でも、かしこい姉妹は考えました。

 

「なぜ、妹はオレンジが欲しいのかしら?」

「なぜ、姉はオレンジが欲しいのかしら?」

 

そして、どちらともなくお互いにその質問をしてみました。

 

すると、

姉は、「私は実を絞ってジュースにしたいの!」

妹は、「私は皮を使ってマーマレードにしたいの!」

なんと、それぞれの目的は違っていました。

 

分配型交渉でオレンジを半分にして分け合っていたら、

姉も妹も必要なものの半分しか手に入りませんでした。

 

しかし、

オレンジがなぜ必要なのかというその目的を確認することで、

姉も妹もオレンジ一個分の実と皮をそれぞれ

手に入れることができました。

 

これこそが、統合型交渉です。

 

ですから、出発点は分配型交渉で入りますが、

お互いの主張をよく聞きながら目的を確認することで、

統合型交渉に入ることができます。

 

ですから、分配型交渉をしながらもお互いの目的の確認を

怠らないことが肝要です。

 

特に最初から相手の意図を決めつけてかかってしまうと

確かに相手の得になることはありませんが、

自分も得にならない羽目になってしまいます。

 

ゆえに、オレンジという一個の物体に着目して

単純に分け合うと考えてしまうと、

分け合う量が多いか少ないかという、

一本の線上での綱引きになってしまいます。

 

よって、実と皮が一体となったままその大小を

取り合うわけです。

 

しかし、一個のオレンジを実と皮に分けて考えると、

実と皮で二軸(縦と横)をとることができますので、

実も皮もそれぞれがお互いにすべて手に入れることができる

という解決策を考え出すことができるわけです。

 

言ってみれば二次元で考えると、

単なる分捕り合戦にならなくて済むということです。

 

つまり、交渉の際には結局は分配型交渉に

ならざるを得ない場合もありますが、

お互いにもっと有利な解決策を作り出すことも

できる可能性もあります。

 

そこで、常にこの交渉における

「自分や相手の目的は何なのか?」

ということを考えながら交渉に臨むことを

お勧めいたします。

 

さて次回は、交渉にも流れがあるので

序盤・中盤・終盤でどのようなことに気を付ければよいのか、

という解説に入っていくことにいたします。

 

 

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12.情報を制し、大きくふっかけ相手の譲歩を引き出せ!

では、交渉範囲が「正の交渉範囲」になったときに

取るべき手立てにはどんなものがあるでしょうか?

 

まず、「正の交渉範囲」ですが、

買い手であるあなたが、7,000円までしか出すつもりがなく、

売り手が6,000円までしか値引きするつもりがなければ、

6,000円から7,000円の範囲で交渉ができる、

という範囲のことでしたね。

 

ただ、実際の交渉の場面では、

「負の交渉範囲」なのか

「正の交渉範囲」なのか、

どの範囲で交渉しているのかは不明です。

 

ゆえに、常に「負の交渉範囲」で交渉しているつもりで

臨んだ方がよいでしょう。

 

なぜなら、交渉決裂の危機にあると考えながら慎重に

事を運ぶことができるからです。

 

もし、「正の交渉範囲」にいると思って、

買い手であるあなたが安い金額を出し続けてしまうと、

交渉は不成立で終わってしまうことになります。

 

そこで、

まずは、何らかの形で相手の情報を収集したいところです。

 

納期が迫っているとか、予算が決まっているとか、

他に取引する相手がいないとか、

直接的でも間接的でも構わないので情報を収集することです。

 

ですから、いきなり交渉に入るのではなく、

今回の取引を必要とするに至った経緯などを最初に

聞いておくとよいでしょう。

 

また、ホームページで取引企業や決算資料など、

収集できる情報は収集しつくしておくと、

有利に交渉ができる確率が高まります。

 

そのうえで、「負の交渉範囲」の交渉でも申し上げた通り、

最初は譲歩幅を大きくしても、

徐々にその幅を縮めていってください。

 

ただ、最終的にはその前の譲歩幅よりも大きくして

「特別ですよ。」と一言加えてみるとよいでしょう。

 

相手の満足感が高まります。

そのためにも、最初の出発点をどこに置くのかも

重要なポイントです。

 

目標点や抵抗点に近すぎると、

相手に有利に運ばれてしまいます。

 

たとえば、買い手であるあなたの

目標点が5,000円

抵抗点が7,000円

売り手の

目標点が8,000円

抵抗点が6,000円

だったとします。

 

このときに、あなたが

出発点を4,000円

相手が10,000円

としたとします。

 

妥結点はいくらになると予想がつくでしょうか?

(10,000円+4,000円)÷2=7,000円

という予測が概ねできそうですね。

 

するとこの金額は、あなたの抵抗点になります。

しかし、買い手であるあなたの出発点を2,000円にすると、

(10,000円+2,000円)÷2=6,000円

となり、これは売り手の抵抗点になります。

 

どっちが買い手であるあなたの得になるかは、

もうお分かりですよね?

 

ちなみに、交渉テクニックとして、

厳しい交渉をする人を先に出して、

後から優しい交渉をする人を出すという方法もあります。

 

たとえば、最初は2,000円と突っぱねておいて、

別の人が「それは無理ですよね?」と言って、

「じゃあ、4,000円ではどうですか?」

と交渉していく方法です。

 

また、一番重要な交渉は二番目に回しておいて、

一番目の交渉ではコチラが譲っておいて、

重要な二番目の交渉で相手の譲歩を引き出す

という方法もあります。

 

さらには、譲歩する代わりに

「おまけで○○をつけてください。」

と、お願いする方法もあります。

さて、分配型交渉についてはとりあえず、

ここまでにしておきますね。

 

次回は、win-win を目指す統合型交渉に入っていきます。

 

 

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11.「負の交渉範囲」に対しては肝を据えて交渉に臨め!

では、「負の交渉範囲」のときに抵抗点を移動させるには、

どうすればよいでしょうか?

 

また、「正の交渉範囲」に入ったときにどのようにすれば

有利に交渉を進められるでしょうか?

 

まず、「負の交渉範囲」ですが、

買い手であるあなたが、6,000円までしか出すつもりがなく、

売り手が7,000円までしか値引きするつもりがなければ、

 

交渉が決裂してしまうという範囲のことでしたね。

すると。手立ては二つしかありません。

 

一つは、あなたが6,000円の抵抗点を7,000円以上にするか、

売り手が7,000円の抵抗点を6,000円以下にするかです。

 

もちろん、お互いが譲り合うことも可能ですが、

上記の応用に過ぎません。

 

では、売り手の抵抗点を下げさせるにはどうすればよいでしょうか?

一つは、売り手の出発点があまりにも高すぎる

ということを訴えます。

 

たとえば、相場と比べて、同等の商品やサービスと比べて、

持っている品質や価値と比べて、

また、売り手が販売した後に買い手に付けている

サービスと比べて、

等々です。

 

もし、あなたが売り手であれば、買い手に逆の主張をすれば

よいことになります。

 

いずれにしても、自分の抵抗点は変えないつもりで

迫ります。

 

しかし、うまくいかないときは、買い手であるあなたは、

自分の抵抗点を上げざるを得ません。

 

その際は、出発点から目標点に向けて

ある程度大幅に譲歩します。

 

しかし、その後は徐々に譲歩幅を狭めていってください。

同じ幅で狭めていくと、出発点が目標点や抵抗点に比べて

かなり安いところに設定されていたことがばれてしまいます。

 

たとえば、4,000円から出発したら、

最初は、4,500円

次は、4,800円

さらに次は、5,000円というようにです。

 

あとは、状況を見ながら100円単位で

徐々に値を上げるしかないでしょう。

 

その間に、先ほどの売り手の抵抗点を下げさせる交渉を行います。

 

最後の最後は、売り手に対して

「最終的にいくらだったら売るのか?」

と、聞いてみてください。

 

そのうえで、

「その値段が(買い手であるあなたが)払えない金額であれば、

この交渉はなかったことにしよう。」

と迫ってみてください。

 

売り手が売らざるを得ない状況だったら、

かなりの値下げをしてくるでしょう。

 

たとえば、「6,000円で売りましょう。」とかですね。

しかし、そんな事情が無ければ下げては来ないので

交渉は決裂です。

 

たとえば、「7,000円で売りましょう。」とかですね。

もしくは、買い手であるあなたが、その金額まで抵抗点を上げて、

妥結するしかなくなります。

 

たとえば、「6,500円で売りましょう。」

「分かりました。6,500円で買いましょう。」とかですね。

 

尚、自分が売り手のときは、逆の交渉をしてください。

いずれにしても、自分の目標点や抵抗点が

 

極力相手に知られないように交渉を進めていくことが大切です。

 

では、交渉範囲が「正の交渉範囲」になったときに

取るべき手立てにはどんなものがあるでしょうか?

 

 

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10.「交渉範囲」に対する理解が交渉妥結の出発点!

では、交渉にはどんな種類があるのでしょうか?

大きく二つに分かれます。

 

「分配型交渉」と「統合型交渉」です。

 

最近は「統合型交渉」で、

win-win を目指すべきということが

主張されることが多いようです。

 

しかし、現実はどうでしょうか。

ほとんどが、「分配型交渉」で、

何かしらの win-lose になっています。

 

ゆえに、まずは「分配型交渉」の本質を理解しておくことが

重要と言えます。

 

では、「分配型交渉」とは何でしょうか?

たとえば、フリーマーケットで1万円の商品が

販売されていたとします。

 

あなた(Bさん)は、7,000円以上を

出すつもりはありません。

 

また、できれば5,000円で買うことができたら

ラッキーだと思っています。

 

そこで、4,000円で売って欲しいと主張しました。

それに対して売り手(Aさん)は、6,000円までなら下げても

良いと思っています。

 

また、できれば8,000円で売れると

ラッキーだと思っています。

 

これを図示すると次のようになります。

 

(あなた:B/売り手:A)

4千円:Bの出発点

5千円:Bの目標点

6千円:Aの抵抗点

7千円:Bの抵抗点

8千円:Aの目標点

1万円:Aの出発点

 

さて、そうすると妥結範囲はどうなるでしょうか?

6,000円から7,000円の範囲ですね。

 

これを「正の交渉範囲」と言います。

もし、あなたが6,000円までしか出すつもりがなく、

 

売り手が7,000円までしか値引きするつもりがなければ、

交渉は決裂しますね。

 

これを、「負の交渉範囲」と言います。

この「負の交渉範囲」のときは、「正の交渉範囲」を形成するように

抵抗点を移動させる交渉が必要になります。

 

ただし、この抵抗点は一般的に極秘事項です。

では、「負の交渉範囲」のときに抵抗点を移動させるには、

どうすればよいでしょうか?

 

また、「正の交渉範囲」に入ったときにどのようにすれば

有利に交渉を進められるでしょうか?

 

 

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9.対立を両立に変えて、さらにプラスを生み出せ!

では、「交渉」における対立の乗り越え方には

どんなものがあるのでしょうか?

 

それは・・・

 

1.利己的方法

2.利他的方法

3.冷淡な方法

4.問題解決的方法

 

・・・があるそうです。

 

さて、あなたが彼氏や彼女とデートの行くことになったとします。

お相手は、海に行ってヨットに乗りたいと言います。

 

あなたは、山に登って頂上からの景色を楽しみたいと思っています。

さて、どのようにしてこの対立関係を解決するでしょうか?

 

あなたが、無理強いして山に登ることになりました。

これは、利己的方法による解決ですね。

 

あなたが、譲歩して海に行くことにしました。

これは、利他的方法による解決ですね。

 

腹が立ったあなたは、デートに行くことを中止してしまいました。

これは、冷淡な方法による解決ですね。

 

では、残りの問題解決的方法だとどうなるでしょうか?

 

たとえば・・・

 

山に登って、そこにある湖でボートに乗る。

海に行って、島に上陸してその島にある山に登る。

 

う~ん。

あまり現実的とは言えませんが、不可能ではないですね。

 

いずれにしても、両方の要求を満たす方法を考えること。

これが、問題解決的方法による解決です。

 

でも、なかなか難しそうですね。

相手はイタリアンが食べたい。

 

あなたは和食が食べたい。

なんてときは、どうすればよいんでしょうか?

 

両方食べさせてくれるお店もないことは無いですが、

あまりおいしいとは・・・。

 

こんなときは、利他の精神で。

今回は、イタリアンにしましょう。

 

でも次は和食にしてね。

これがよいですね。

 

逆だと・・・。

今回は和食にしよう。

 

次回は、イタリアンにするから。

やはり、言われた方は気持ちがよくないですね。

 

自分の譲歩が相手の譲歩を生む。

この精神が大切でしょう。

 

では、交渉にはどんな種類があるのでしょうか?

 

 

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8.「交渉」って何?また、必要とされる構成要素は?

では、「交渉」って何でしょうか?

改めて、「交渉」について理解を深めていくことにしましょう。

 

と言っても、改めて「交渉」って何でしょうか?

と聞かれると答えに窮することもあります。

 

別の言葉に置き換えると「談判」とか「折衝」ですね。

「談判」というのは、「炎のように論じて果実を二つに分ける」

というような意味があるそうです。

 

また、「折衝」には、「相手の攻撃を折る」というような

意味があるそうです。

 

つまり、この二つの言葉も参考に考えると

「交渉」というのは、「議論を重ねながらお互いが成果を分け合う」

という意味になるかと思われます。

 

次に、「交渉」と言えるためにはどんな要素が必要なんでしょうか?

 

それは・・・

 

1.複数の人

2.利害の対立

3.主張

4.合意への期待

5.相互依存関係

6.気合い

 

・・・だそうです。

 

1.の「複数の人」は当たり前ですよね。

一人では交渉の必要性はないからです。

 

2.の「利害の対立」も同様ですね。

同じ意見であれば、交渉の余地はないからです。

 

3.の「主張」ですが・・・

ようは、言ってみないと始まらないということです。

 

黙っていれば、何の軋轢も生じませんから、

これまた交渉の余地はないですね。

 

4.の「合意への期待」ですが・・・

最初から、決裂を望んでいるのなら、

これまた交渉の余地はないですね。

 

5.の「相互依存関係」ですが・・・

言い換えれば、お互いの利益を追求するということです。

 

交渉なので、「相手の弱いところを突いて勝ち負けを決める」

と考えがちですが、これでは最後はどうなるでしょうか?

行きつく先は戦争です。

 

交渉が決裂しても戦争になることはあります。

しかし、交渉そのものは平和主義でなければなりません。

 

6.の「気合い」ですが・・・

最初から気合い負けをしていたのでは交渉になりません。

ですから、冗談のようですが、「気合い」は必要です。

落ち着いて「交渉」の場に臨みましょう。

 

さらに、「交渉」における対立の乗り越え方には

どんなものがあるのでしょうか?

 

それは・・・

 

 

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7.権威ではなく、「言葉で理解させる」土壌を醸成せよ!

では、今なぜ「交渉」が必要とされてきているのでしょうか。

この辺りの背景を整理していくことにします。

 

ちなみに、これまでわが国では「交渉」の必要性があまり

声高には言われてきませんでした。

 

ただ、営業の世界では説得のテクニックとして「商談スキル」の

必要性は叫ばれてきていました。

 

「交渉」と「商談スキル」は何が違うんでしょうか?

同じところもありますが、大きくは「交渉」の方が利害の対立が

前提になっていると言えるでしょう。

 

「商談スキル」は「いらない」と言っていた人に「買う気」を

起こさせて「欲しい」という気持ちになってもらうスキルです。

 

「交渉」はお互いに譲らない点を相互に譲歩し、譲歩させて、

一致点を見つけるスキルです。

 

つまり、「商談スキル」は最終的にお客様にも喜んでもらえる

可能性があります。

 

しかし、「交渉」はお互いの納得を生み出すところ

までで終わります。

 

これまでの日本では、このお互いの納得までは

必要とされていなかった時代があったということです。

 

言い換えれば、どちらかが我慢してきたということです。

 

たとえば、

 

親子の世界

教師と生徒の世界

上司と部下の世界

夫と妻の世界

近隣の住民同士の世界

等々です。

 

なぜ、我慢が効いたのかというと、尊敬や権威そして恥の文化

が影響していたと言えるでしょう。

 

しかし、現在はどうでしょうか?

崩れ落ちている面もあります。

 

また、国際化や平等意識の醸成も影響を与えています。

 

そのために、

家庭崩壊

学級崩壊

パワハラ・セクハラの顕在化

離婚の増加

訴訟の一般化

につながっています。

 

決して、我慢を強いられていた時代が

良かったわけではありません。

 

かといって、尊敬や権威そして恥の文化も

捨てたものではありません。

 

ただ、ベースに「言葉で理解させる」という土壌が

全く育っていなかったことが問題になります。

 

ですから、

 

子の反論に親が答えられない

生徒の反論に教師が答えられない

部下の反論に上司が答えられない

妻(夫)の反論に夫(妻)が答えられない

住民同士で話し合いができない

という状況になってしまったわけです。

 

そこに、国際化で外国人の方も入ってきました。

しかも、介護事業のように新しいサービスは

どんどん出てきます。

 

そのため、サービス提供者や受益者の期待のズレが、

また、新しい紛争の種にさえなってきています。

 

このような事情から、現代では「交渉」が

必要になってきていると言えます。

 

では、「交渉」って何でしょうか?

改めて、「交渉」について理解を深めていくことにしましょう。

 

 

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