13.自分の損得だけに執着せず、お互いの目的を確認せよ!

前回までは、win-lose 型の分配型交渉について

解説をしてきました。

 

では、もう一つの交渉タイプである、

win-win 型の統合型交渉とはどんな交渉なのでしょうか?

 

交渉に入るときに、この交渉は分配型交渉なのか、

それとも統合型交渉なのかを判別することは不可能です。

 

交渉過程の中で徐々に明確になっていきます。

たとえば、ここに一つのオレンジがあります。

 

これを姉と妹で分け合うことになりました。

さて、どのように分け合うとよいでしょうか?

 

オレンジは、果物なので二つに割ることができます。

ですから、ナイフで二つに切れば

平等に分け合うことができます。

 

これで何も問題はありません。

つまり、分配型交渉で解決してしまいました。

 

でも、かしこい姉妹は考えました。

 

「なぜ、妹はオレンジが欲しいのかしら?」

「なぜ、姉はオレンジが欲しいのかしら?」

 

そして、どちらともなくお互いにその質問をしてみました。

 

すると、

姉は、「私は実を絞ってジュースにしたいの!」

妹は、「私は皮を使ってマーマレードにしたいの!」

なんと、それぞれの目的は違っていました。

 

分配型交渉でオレンジを半分にして分け合っていたら、

姉も妹も必要なものの半分しか手に入りませんでした。

 

しかし、

オレンジがなぜ必要なのかというその目的を確認することで、

姉も妹もオレンジ一個分の実と皮をそれぞれ

手に入れることができました。

 

これこそが、統合型交渉です。

 

ですから、出発点は分配型交渉で入りますが、

お互いの主張をよく聞きながら目的を確認することで、

統合型交渉に入ることができます。

 

ですから、分配型交渉をしながらもお互いの目的の確認を

怠らないことが肝要です。

 

特に最初から相手の意図を決めつけてかかってしまうと

確かに相手の得になることはありませんが、

自分も得にならない羽目になってしまいます。

 

ゆえに、オレンジという一個の物体に着目して

単純に分け合うと考えてしまうと、

分け合う量が多いか少ないかという、

一本の線上での綱引きになってしまいます。

 

よって、実と皮が一体となったままその大小を

取り合うわけです。

 

しかし、一個のオレンジを実と皮に分けて考えると、

実と皮で二軸(縦と横)をとることができますので、

実も皮もそれぞれがお互いにすべて手に入れることができる

という解決策を考え出すことができるわけです。

 

言ってみれば二次元で考えると、

単なる分捕り合戦にならなくて済むということです。

 

つまり、交渉の際には結局は分配型交渉に

ならざるを得ない場合もありますが、

お互いにもっと有利な解決策を作り出すことも

できる可能性もあります。

 

そこで、常にこの交渉における

「自分や相手の目的は何なのか?」

ということを考えながら交渉に臨むことを

お勧めいたします。

 

さて次回は、交渉にも流れがあるので

序盤・中盤・終盤でどのようなことに気を付ければよいのか、

という解説に入っていくことにいたします。

 

 

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