7.権威ではなく、「言葉で理解させる」土壌を醸成せよ!

では、今なぜ「交渉」が必要とされてきているのでしょうか。

この辺りの背景を整理していくことにします。

 

ちなみに、これまでわが国では「交渉」の必要性があまり

声高には言われてきませんでした。

 

ただ、営業の世界では説得のテクニックとして「商談スキル」の

必要性は叫ばれてきていました。

 

「交渉」と「商談スキル」は何が違うんでしょうか?

同じところもありますが、大きくは「交渉」の方が利害の対立が

前提になっていると言えるでしょう。

 

「商談スキル」は「いらない」と言っていた人に「買う気」を

起こさせて「欲しい」という気持ちになってもらうスキルです。

 

「交渉」はお互いに譲らない点を相互に譲歩し、譲歩させて、

一致点を見つけるスキルです。

 

つまり、「商談スキル」は最終的にお客様にも喜んでもらえる

可能性があります。

 

しかし、「交渉」はお互いの納得を生み出すところ

までで終わります。

 

これまでの日本では、このお互いの納得までは

必要とされていなかった時代があったということです。

 

言い換えれば、どちらかが我慢してきたということです。

 

たとえば、

 

親子の世界

教師と生徒の世界

上司と部下の世界

夫と妻の世界

近隣の住民同士の世界

等々です。

 

なぜ、我慢が効いたのかというと、尊敬や権威そして恥の文化

が影響していたと言えるでしょう。

 

しかし、現在はどうでしょうか?

崩れ落ちている面もあります。

 

また、国際化や平等意識の醸成も影響を与えています。

 

そのために、

家庭崩壊

学級崩壊

パワハラ・セクハラの顕在化

離婚の増加

訴訟の一般化

につながっています。

 

決して、我慢を強いられていた時代が

良かったわけではありません。

 

かといって、尊敬や権威そして恥の文化も

捨てたものではありません。

 

ただ、ベースに「言葉で理解させる」という土壌が

全く育っていなかったことが問題になります。

 

ですから、

 

子の反論に親が答えられない

生徒の反論に教師が答えられない

部下の反論に上司が答えられない

妻(夫)の反論に夫(妻)が答えられない

住民同士で話し合いができない

という状況になってしまったわけです。

 

そこに、国際化で外国人の方も入ってきました。

しかも、介護事業のように新しいサービスは

どんどん出てきます。

 

そのため、サービス提供者や受益者の期待のズレが、

また、新しい紛争の種にさえなってきています。

 

このような事情から、現代では「交渉」が

必要になってきていると言えます。

 

では、「交渉」って何でしょうか?

改めて、「交渉」について理解を深めていくことにしましょう。

 

 

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