23.交渉で大成果を生み出す九つのポイントとは?(1部)

さて、今回は交渉での成果を最大限にするための取り組み

について解説していくことにしましょう。

 

全部で9つあります。

 

それでは一つひとつ見ていきましょう。

 

1.技から科学へ-知識が助ける

 

交渉力もそうですが、これを鍛える最大の方法は

現場で繰り返すことです。

 

失敗と成功を繰り返して身につけたノウハウに

かなうものはありません。

 

しかし、これでは時間と費用が半端なくかかってしまいます。

 

ゆえに、これまで述べてきた交渉に関する知識と技術を

使っていくことが求められます。

 

例えて言えば、個人と集団のバイアスです。

 

自分が陥ってないかどうかを確認して

改善行動に結び付けていくなどです。

 

2.まず気づくこと

 

上記の1.で述べたように個人と集団のバイアスに

影響されていないかを自分自身で自己診断するなどです。

 

相手の診断もしてみてください。

 

しかし、重要なのはここからです。

 

相手の診断はできても自分の診断は

ななかなか正確にはできません。

 

例えできたとしても、悪い側面を認めることが難しいですね。

 

認めたくないだけで、ホントは分かってたりします。

 

ゆえに、言い訳をせずに正しいと思う行動をとってみることです。

 

慣れていないので失敗しますが、

それこそその失敗を言い訳にしないで、

やり続けるしかありません。

 

3.BATNA(代替案)を決めよう

※BATNA:Best Alternative to Negotiated Agreement

 

BATNA(代替案)とは、自分と相手の交差する交渉範囲で合意できない

ときの選択肢の中でも最良のもののことでしたね。

 

例えば、自分が80以下で合意したい。

 

相手は50以上で合意したいという場合です。

 

50から80までの間で合意すれば

お互いの納得度は高まります。

 

しかし、50未満であれば相手が、

80を超えると自分が納得できません。

 

そのときに、交渉決裂しても良いように考えておく代替案が

BATNA(代替案)でした。

 

自分のBATNA(代替案)を決めておくことも大切ですが、

相手のBATNA(代替案)も推測してみてください。

 

すると、どこまで譲り、どこまで要求するのか

という程度が見えてきます。

 

また、今後もお付き合いする価値があるのか

ということもBATNA(代替案)から判断ができるでしょう。

 

ところで、あと6つあるんですが、

それはこの次に改めて記載しますね。

 

 

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22.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(4部)

さて、前回の3部に引き続き、

残りの1つについて解説いたします。

 

7.便乗(ただ乗り)意識とコミットメント

 

人数が多いときと少ないとき、

どちらのときが全力を出しますか?

 

人数が多いと誰かが意見を言ってくれるだろう、

 

誰かがやってくれるだろうと、

どうしても手を抜きがちになりますね。

 

しかも、意見の調整や相手の出方を見極める度合いなども、

人数が多いときの方が手間がかかります。

 

結局、本来力を発揮すべき言動に力を注ぐことも

できなくなってしまいます。

 

つまり、コミットメント(取り組み意欲)に

差が出てくるわけです。

 

ゆえに、人数を少数にして交渉を行うか、

各人のコミットメントを常に把握しておく必要が出てきます。

 

さて、集団バイアスは以上になります。

 

次は、交渉での成果を最大限にするための取り組みについて

解説していくことにしましょう。

 

 

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21.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(3部)

さて、前回から集団バイアスについてお話をしています。

 

全部で7つあるうちの、4つまでが前回でした。

 

それでは、残りの3つについて解説していきます。

 

5.情報確認の誘惑

 

これは、「共有情報による枠づけ」と言った方が

分かりやすいでしょうね。

 

新しいことにチャレンジするより、

これまでの慣れた方法を続ける方が楽でしょう。

 

特に新しい情報に対しては収集、分析、判断など

にエネルギーが必要です。

 

また、その能力の欠如や感情的になるなど

自分の欠点が露わになる危険性もあります。

 

すると、既知の情報の確認に時間とエネルギーが割かれます。

 

しかし、交渉では新たな可能性を探り出さないといけないのに、

既知の情報だけを対象にしていては

より良い成果を出すことはできません。

 

ゆえに、既知の情報だけでなく新たな情報を

取り入れることが不可欠になります。

 

6.アルビーノ・パラドックス

 

5月のゴールデンウィークです。

 

普段忙しいあなたは、罪滅ぼしに

「ディズニーランドにでも行こうか?」と言いました。

 

でも、今から行っても道路は渋滞で、

パークも入場制限がかかっていることが予測できます。

 

しかも、疲れていたのでホントは家で

ゆっくりしていたかったんです。

 

それは、奥さん(旦那さん)もお子さんも重々承知しています。

でも、奥さん(旦那さん)が、

「せっかく言ってくれたのに反対するのも悪い。」

と気を使って、

「それは、よいわね。」

と、言いました。

 

すると、子どもたちも、

友達と遊んでいた方が楽しいのに、

「え、連れてってくれるの?」

と言いました。

 

というように意見がまとまって、

ディズニーランドに行くことになってしまったわけです。

 

しかし、道路は渋滞でパークは入場制限、

夕方になってやっと入れたもののすぐに帰宅。

 

また、渋滞。

 

つまり、善意に基づく迎合的なお互いの配慮が

集団の望まぬ意思決定に寄与してしまったわけです。

 

ゆえに、ときには「悪魔の弁護人」になることも大切です。

 

要するに、「あなたの意見には賛成だけど、

あえて反対意見を言うと・・・。」と言って

多数意見と異なる意見を述べることで

相手の気分を害さずに一石を投じることです。

 

ところで、あと1つあるんですが、

 

それはこの次に改めて記載しますね。

 

 

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20.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(2部)

さて、前回の1部に引き続き、

後半の5つについて解説いたします。

 

3.グループの極化現象

 

一般的には、上記のグループシンクによって、

独創的なアイデアが陳腐なアイデアになることが危惧されます。

 

すると、本来組織が持っている知恵の結集による

新たなアイデアの創出効果などが損なわれるわけです。

 

しかし、逆にこんなことが起きませんか?

 

新規事業の開発を行っているとき、

ある一人がポツンと、

「でも、結局は上につぶされるんだよな。」

と、言いました。

 

ホントはアイデアが陳腐だからこれまで承認を

得られなかったにもかかわらず。

 

だから、よいアイデアを出そうと

皆が頑張っていたんですが。

 

その意見に同調するように、一人、また一人と

賛成意見を述べる人間が増えてくると、

結局、「経営陣がバカだから。」なんてことで

話に花が咲き、批判の嵐になる。

 

よいアイデアが出ない言い訳でもあるんですが・・・。

 

結局は、本来の目的からずれた議論になってしまっています。

 

ゆえに、その結論が本来の目的にかなっているのか

という検証がここでも必要になります。

 

4.少数派が影響力を握るとき

 

これは、発端は上記の「グループの極化現象」

である場合が多いでしょう。

 

ただ少し違うのは、ホントはその結論には賛成ではないが

賛成しないと報復を受ける可能性があるので

仕方なく同意するという場合があることです。

 

穏便に話し合いで解決しようと思っていたところ、

どこかで小競り合いが始まり、それが広がって

大暴動に発展するというのが典型でしょう。

 

また、少数グループがなぜか主導権を

握ってしまう場合もあります。

 

これは、二つの対立するグループのうち

どちらかが少数グループを取り込むと

過半数になるような場合です。

 

少数グループだけでは意見が通らないものの

規模の大きいグループにつくことで

主導権さえ取ることができるんです。

 

ゆえに、少数派は多数派につくことで

主張を通すことができますし、

逆に、少数派を取り込むと

主導権を握られる可能性があることを

知っておく必要があります。

 

さて、まだ3つありますね。

 

ずいぶん長くなりますので、申し訳ありませんが

残りの3つは次回にさせていただきます。

 

 

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19.交渉の落とし穴。集団バイアス七つのポイントとは?(1部)

さて、前回は個人バイアスについてお話をいたしました。

 

今回は、二つ目の集団バイアスについて解説していきます。

 

全部で7つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.複数の人間の知恵を合わせる

 

何でこれがバイアス(落とし穴)なんだ?

と思いますよね。

 

普通、「三人寄れば文殊の知恵」というように、

一人で考えるより複数で考えた方が良いアイデアが出る、

ということで称賛されたりします。

 

しかし、

 

その反面、実は一人ひとりが交渉者なんです。

 

情報がすべてオープンになるとも限らず、

利害、権限、権力が交錯しますね。

 

たとえ、1対1の交渉であったとしても、

必ずしも決定権限があるとは限らないので、

上長に判断を仰がないといけない場合も出てきます。

 

つまり、複数の人間によって意思決定を行う場合には、

知恵を結集するという側面と

自分にとって有利に事を運ぼうという側面の

両方があるということです。

 

ゆえに、複数の人間によって意思決定を行う場合は

お互いの背景に配慮する必要があります。

 

2.同調を要求する圧力(グループシンク)

 

これは分かりやすいですね。

 

人が集まると、その中の関係性によって

どのように振る舞うのが妥当なのか、

明示的、暗黙的に示されたりします。

 

よい側面としては、意思決定までは時間がかかるが、

実行段階では合意が取れているので早くなる、

ということが挙げられます。

 

しかし、少数意見が採用されず、

集団にとって必要となるような独創的な意見は無視されます。

 

また、怖いことに、失敗しても放置される場合も出てきます。

 

ゆえに、元々の目的立ち返って

結論を検証してみる必要があります。

 

 

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18.交渉の落とし穴。個人バイアス六つのポイントとは?

さて、どんなに用意周到に準備をして交渉に臨んでも

落とし穴にはまってしまうことがあります。

 

では、交渉にはどんな落とし穴があって、

どのように対処すればよいのでしょうか?

 

大きく二つあります。

 

個人バイアスと集団バイアスです。

 

バイアスというのは落とし穴のことです。

 

ここではまず、個人バイアスから解説していきます。

 

全部で6つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.交渉は「奪い合い」か?

 

交渉というと「何をすること」とあなたは考えるでしょうか?

 

「駆け引き」とか「勝つか負けるか」かもしれませんね。

 

でも、本当にそうでしょうか?

 

一つのオレンジを分け合おうとしている姉妹が、

オレンジを半分ずつではなく、

皮と実で分け合うことでお互いが満足します。

 

つまり、目的から考えると両方が win-winになれる方法が

あるように、

ゆえに、必ずしも「駆け引き」や「勝ち負け」とも

限らないわけです。

 

2.行動のエスカレーション

 

あなたは一度決めたことを簡単に覆す人のことをどう思いますか?

 

「節操のない人」だと思わないでしょうか?

 

だからというわけではありませんが、

人は簡単に諦めない人を称賛します。

 

では、10年たっても司法試験などの難しい試験に

合格しない人のことはどう思いますか?

 

「諦めの悪い人」だと思わないでしょうか?

 

しかし、人は一度決めて始めたことを

簡単にはやめようとはしません。

 

そこにエネルギーをかけてきたからです。

 

でも、それは過去の話で取り返しはききません。

 

ゆえに、将来のリターンを考えて判断すべきでしょう。

 

3.枠づけ作用(フレーミング)

 

実験結果があります。

 

600人が死亡すると推定される疫病対策です。

どちらの対策を選択した人が多いと思いますか?

 

対策Aを採用すると200人が助かるでしょう。

 

対策Bを採用すると、3分の1の確率で全員が助かり、

3分の2の確率で全員が助からないでしょう。

 

さて、いかがでしょうか?

 

もう一つ。

こう言われたらどうでしょうか?

 

対策Aを採用すると400人が死亡するでしょう。

 

対策Bを採用すると、3分の1の確率で誰も死亡せず、

3分の2の確率で全員が死亡するでしょう。

 

前者は、対策Aを選んだ人が多く、

後者は、対策Bを選んだ人が多くなったそうです。

 

前者も後者も同じことを言っているに過ぎないのにもかかわらず。

 

つまり、「助かる」でフレーミングされたか、

「死亡する」でフレーミングされたかの違いです。

 

ゆえに、自分にとって「利益」になることが想定される

選択肢を出されると

確率は同じでも「不利益」になることが想定される選択肢を

出される場合よりも

選択する確率は高まるということになります。

 

逆に言えば、自分にとって「利益」になることが想定される

選択肢を出されたからといって、

必ずしもその選択肢が正しいとは限らないということです。

 

4.係留効果と調整

 

値切り交渉をしてよい場合、

あなたならまずいくらに値切りますか?

 

100万円の高級品の場合。

 

1万円の普及品の場合。

 

いかがでしょうか?

 

100万円の高級品をいきなり1万円に値切る人は

めったに見かけませんよね?

 

また、値切り交渉をしてよいにもかかわらず、

99万円からスタートする人もあまり見かけませんね?

 

1万円の場合も同様です。

 

妥当と思われる値切り幅で値切るのではないでしょうか?

 

つまり、示された条件を大幅に超えて交渉することは

あまりないということです。

 

ゆえに、条件を示すときに

高め誘導も低め誘導もできるということになります。

 

逆に、示された方は思い切った値切りを行うことも

手ということにもなります。

 

5.情報の誘惑

 

あなたの好きな異性のタイプを思い浮かべてください。

 

道を歩いているときに、

その好きなタイプの異性に目が行きますよね?

 

いつも時間に遅れない人が列車遅延で遅刻してきたときと

いつも時間に遅れてばかりいる人が列車遅延で遅れてきたときで

あなたの態度はどう変わりますか?

 

列車遅延なので条件は同じですが・・・。

私は、後者の人には冷たくしそうです。

 

つまり、人には受け入れやすい情報と

受け入れにくい情報があるということです。

 

ゆえに、強く印象付けるとか、頻繁に接触するとか、

「あいうえお・・・」や「ABC・・・」などの順番があるなら

最初の方に位置付けるなどの工夫で

選択されやすくなります。

 

逆に言えば、だからといってその選択が正しいとは

限らないということです。

 

6.自信過剰

 

一人で何かに取り組む時なら自信過剰も効果的ですね。

 

「できる」と信じて取り組むと達成することもままあります。

 

しかし、交渉はどうでしょうか?

 

相手がいます。

 

条件も変化することがあります。

 

そんなときに、自信過剰だと・・・。

「もっと、他によい手があったじゃないか!」

ということにもなりかねませんね。

 

ゆえに、一つことに固執せず他の可能性を

探ることが大切になります。

 

逆に言えば、自信過剰な相手には

当初の条件から大きく外れない範囲で

交渉すればよいことになります。

 

別の観点から相手に有利な条件を出す必要は

ないということです。

 

どうせ聞き入れてもらえないからです。

 

さて、個人バイアスは以上になります。

 

では、集団バイアスにはどんなものがあるのでしょうか?

 

 

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17.交渉に臨む際に準備しておくべき七つのポイントとは?

さて、交渉に臨む際に、どんなことを準備しておけば、

さらに交渉を有利に進めることができるのでしょうか?

 

全部で7つあります。

 

それでは、一つひとつ見ていくことにしましょう。

 

1.関心事項の準備

 

お互いの関心事項がどこにあるのかを

予測して準備しておく必要があります。

 

ところで、関心事項とは何でしょうか?

 

たとえば、「よいマンション」と聞いたときに、

どんなマンションを思い浮かべますか?

 

購買者は、住みやすいマンションを想像し、

販売者は、売れやすいマンションを想像し、

建築家は、技術の粋を凝らしたマンションを

想像したりしないでしょうか?

 

要するに、その人の価値観によって

関心事項は代わります。

 

ゆえに、お互いの関心事項がどこにあるのかを

予測して準備しておくことが大切になります。

 

2.提案の準備

 

関心事項ごとに何種類かの提案を

準備しておく必要があります。

 

自分にとって100点満点の提案から

0点の提案まで考えられます。

 

ただし、100点や0点では話にはなりませんね。

100点だと相手が0点になりますし、

こちらが0点だと相手が100点になってしまいます。

 

これでは交渉と呼べません。

 

そこで、少なくとも満足度の最も高くなる提案や

最も低くなる提案を相手が譲れる範囲とコチラが譲れる範囲から

考えて準備することになります。

 

3.代替案(BATNA)の準備

※BATNA:Best Alternative to Negotiated Agreement

 

代替案(BATNA)とは、

「提案が合意に至らなかったときに採用する案」

のことです。

 

ゆえに、提案の準備で考えた、

いくつかの提案のことではありません。

 

それは満足度の違いはあるものの

合意に至ることを前提とした案です。

 

ですから、代替案(BATNA)で満たされる満足度は

提案の準備で考えたもので合意した場合に

満たされる満足度よりも低くなります。

 

それでも、代替案(BATNA)の中では最高の満足度となる案を

考えておく必要があります。

 

交渉から手を引くときの切り札として活用できます。

 

これは、交渉相手の代替案(BATNA)もコチラが考えておくと

同様に使えます。

 

なぜなら、相手は相手の代替案(BATNA)を採用されるよりも

どんなに満足度が低くても本来の提案で合意できる方が

得だからです。

 

4.合法性の準備

 

交渉の価値判断を行うときに外部の標準があると、

公平性が担保しやすくなります。

 

ただし、一つの標準だけではなく、

複数の標準が用意できると一方的な判断に

落ちらなくて済みます。

 

そこで、どんな外部の標準を採用できるのかを

考えて交渉に臨むとよいでしょう。

 

5.対話の準備

 

どのように交渉を進めるのかというシナリオのことではなく、

聞くべきことや話すべきことの内容を考えておくことです。

 

そのことで、相手の出方によって柔軟に対応できるだけでなく、

交渉の重要ポイントをはずさなくて済みます。

 

特に重要なのは、聞く姿勢や話す姿勢です。

 

相手の言わんとすることを掴むという意識や、

コチラの言い分を理解してもらいたいという意識で

交渉に臨むことが求められます。

 

6.関係の準備

 

単なる交渉上の勝ち負けではなく、

どんな関係を相手と持ちたいのかということを

考えておく必要があります。

 

これが考えられていないと、単なる勝ち負けの交渉となり

「窮鼠猫を噛む」という事態にもなりかねません。

 

改めて、相手との関係を考えることによって、

 

誤解が解けてスムーズに交渉が進むことも考えられます。

 

7.執行の準備

 

交渉によって結論を出して終わりではありません。

 

実際に行動が伴って結果を出すところまで行って

初めて交渉が成功したと言えます。

 

ゆえに、執行に至るまでの計画を立てて問題を洗い出し

一つひとつクリアしていくことが必要になります。

 

さもないと、どちらかがすべきことが欠けてしまい、

新たな火種になることも考えられるからです。

 

さて、どんなに用意周到に準備をして交渉に臨んでも

落とし穴にはまってしまうことがあります。

 

では、交渉にはどんな落とし穴があって、

どのように対処すればよいのでしょうか?

 

 

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16.交渉を有利に進めるための五つのポイントとは?

交渉を有利に進めるためには、

経験に頼ってばかりではうまくいきません。

 

ただ、同じ価値観の同世代人同士であれば

阿吽の呼吸も通用する可能性があります。

 

しかし、世代間ギャップが激しくなり、

単純な貸し借りが通用しないぐらいに世の中が

複雑化しています。

 

私とあなただけの問題ではなく

利害関係者が大勢いるということです。

 

さらには、海外との取引が多くなり、

日本人の曖昧な表現では

受け入れてもらえなくなってきています。

 

するとここに科学としての交渉理論が

研究され、発達していくことになります。

 

いかにして交渉を進めていくと有利になるか・・・。

 

その研究の一端を見てみることにしましょう。

 

1.人間関係と問題を分離する。

 

交渉においては、問題解決もさることながら、

相手との人間関係も重要な要素となります。

 

単純に、「もう二度と会わない」ということで

ハードに交渉する場合もあるかもしれませんが、

ほとんどの場合、次もありますね。

 

ですから、まずは目の前の問題のみに特化して

交渉を行うことが、人間関係を壊さない可能性を

高めてくれることになります。

 

2.自分と相手の感情に焦点を合わせる。

 

理性のみで交渉を進めることができれば

言うことはありません。

 

しかし、どこかに感情面の問題が顔を出すことがあります。

いらだちや怒り、不満や不安などですね。

 

時にはその感情をお互いに

ぶつけ合うこともあるかもしれません。

 

しかし、その感情が生まれた背景を

冷静に分析をしてみてください。

 

すると、そこに本当に言いたいことが潜んでいたりします。

 

特に、相手が感情的になったときには、

まず受け入れてください。

 

理解しようとする姿勢で臨むと、

「実は、・・・。」と言って

わだかまりの原因を話してくれることもあります。

 

3.一つの解決策で勝負しない。

 

自分にとって、最高のの解決策は一つです。

 

しかし、相手の出方によっては、その解決策では

対処できないこともままあります。

 

余裕をもって、対処するためにも解決策は

複数用意しておくべきでしょう。

 

4.解決策以上の解決策を考える。

 

特にいくつかの選択肢を出されると、

その中に正解が入っていると思いがちになります。

 

でもよく考えると、もっと他に

よい解決策がある場合もあります。

 

たとえば、オレンジを分ける場合です。

 

二つに分けるのではなく、皮と実で分ける方法もあるのに

それに気づかないのは愚かなことです。

 

5.客観的基準を利用する。

 

たとえば、人身事故で人が死亡した場合、

年齢や職業などで生涯賃金を割り出して

そこから損害賠償額をはじき出す方法があります。

 

中古品を売る場合には、・・・

購入価格から減価償却費を差し引くとか、

現在流通している中古品価格をベースにするとか、

現在の新品価格と比較するとか、

・・・いくつかの方法が考えられます。

 

いずれにしても、客観的基準を採用しようとすることで

交渉が相手のペースにならずに済みます。

 

また、どの基準を採用するのかということを交渉することで

交渉自体を公正に進めやすくなります。

 

以上の五つのポイントを押さえるだけでも

交渉を有利に運びやすくなります。

 

しかし、交渉には準備が必要です。

 

備えあれば憂いなし。

 

どんなことを準備しておけば、

さらに交渉を有利に進めることができるのでしょうか?

 

 

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15.決裂した交渉の打開策と交渉を有利に進めるための条件とは?

さて、交渉がいつもうまくいくとは限りません。

 

そこで、交渉決裂した時の留意点について

解説していくことにしましょう。

 

完全に交渉が決裂してしまえば、この交渉は終了です。

 

しかし、妥結点が見つからないまでも相互に何とかしたい

という気持ちがあれば対処の余地はあります。

 

いずれにしても、どんな状況かを見極めるがあります。

 

そこで、取りうる手段としては・・・

気持ちを落ち着かせることが大切ですね。

 

怒り心頭に達していては交渉の余地はありません。

 

落ち着いたら、話題を変えて、笑いに誘うのも一法です。

 

緊張感の中でいきなりは無理ですが、

落ち着いていれば可能性はあります。

 

さらに、あえてしっかりと相手の言い分を聴いてみるのも

よいでしょう。

 

案外、あなたにとって有利な条件を

出してくれていることもあります。

 

それでも、前に進まないようであれば、

後日に日を改めたり、交渉する場所を変えたり、

交渉する人を変えるのも趣が変わって有効です。

 

交渉内容に着目すれば・・・

交渉の目的を改めて確認してみるのもよいでしょう。

 

大きな観点から見てみると、こだわっていることが

些細な問題だと気づくこともあります。

 

また、目的にも絡みますが、あなたと相手の共通の敵を

確認することも有効です。

 

敵を倒すには協力関係が必要なので、

どこで譲歩するのかもおのずと見えてきたりします。

 

さらには、大きな争点は細かくしたり、

抽象的な争点は具体化したり、

その逆も考えられます。

 

また、主張している人が誰であるのかということは無視して、

単純に、争点のみを取り上げるのも重要です。

 

徐々に、言っている人そのものに

反対したくなることがあるからです。

 

最後に交渉を有利に進めるための条件を

いくつか紹介しておきます。

 

一つは「資格」です。

 

国家資格などがそれに該当します。

 

いわゆる正確な情報を持っていると推察されるからです。

 

この「資格」が相互に対等でないと有利な交渉はできません。

 

二つ目は「資源」です。

 

たとえば、今日中に決済しないと倒産してしまうという状況では

相手の条件をのまざるを得ないことになります。

 

つまり、時間や人、お金などがこれに相当します。

 

三つ目は「正当性」です。

 

一つ目の「資格」に近いですが、

役職や地位などがこれに該当します。

 

部長として、国会議員として、血縁関係がある者として、

などでがこれに相当します。

 

四つ目は「個性」です。

 

言い方を変えれば人間性ですね。

 

根気があって誠実な人柄であれば

有利に交渉が進められる可能性が高まります。

 

現実的には、これらの四つの組み合わせで、

交渉の実効性が変化することになります。

 

さて、それでは交渉に関しての全体像はここまでとして

いよいよ各論に入っていくことになります。

 

次回からは、交渉を理論としてとらえて、どのような考え方で

交渉を進めて行くと有利に交渉を進めることができるのか、

ということを一つひとつ見ていくことにいたします。

 

 

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大企業にお勤めの方が起業するにはスモールM&Aがお勧めです

 

M&Aは知っているけれど、「スモールM&Aって何だろう?」と思われた方も多いと思います。

 

簡単に言えば年商10億円以下、もっと言えば3億円以下の企業を対象にしたM&Aのことを言います。

 

ただ、M&Aというと「乗っ取り」とか「ハゲタカファンド」とかのイメージが先行して、あまり良いイメージをお持ちの方は少ないかも知れません。

 

しかし、スモールM&Aはそんな悪いイメージとはかけ離れたものです。

 

今、日本が抱えているのは中小企業の後継者不足です。

 

後継者不在の中小企業が約70%にのぼり、毎年約3万社が廃業せざるを得ない状況に追い込まれています。

 

要するに、事業を続けたいにもかかわらず、継いでくれる後継者がいないんです。

 

しかも、そんな中小企業の社長の平均年齢は現在60歳です。

 

最も人数が多いのは66歳です。

 

健康寿命が70歳なので、あと10年で日本の中小企業の多くが無くなってしまいます。

 

それに対して、毎年起業する方は20万人いらっしゃいます。

 

しかし、その中で5年後も残っている会社は約30%です。

 

それだけ、起業は難しいと言えます。

 

なぜなら、ゼロから立ち上げるからです。

 

商品やサービスもゼロから開発し、顧客もゼロから開拓です。

 

社員を採用しようにも、この人手不足の時代になかなか良い人が来てくれません。

 

採用コストばかりがかさみます。

 

そんなときに、商品やサービスも既に有り、顧客もついているし、社員もいる会社が売りに出されたら・・・。

 

手ごろな価格なら買いたいと思わないでしょうか?

 

会社を不動産に置き換えるのは不謹慎かもしれませんが、賃貸用マンションや一戸建てを購入するときに、借り手がついている方がリスクは少ないのと同じです。

 

例えば、飲食店を開業したいと思ったとします。

 

貸店舗を探して、改装を行い、ゼロから集客します。

 

どれだけの時間とコストがかかるでしょうか?

 

しかし、今も経営している飲食店のオーナーが変わるだけなら、店舗も従業員も顧客もついてきます。

 

大幅に時間とコストが削減できることは火を見るより明らかでしょう。

 

これは、やりたい商売が飲食店以外でも同じです。

 

そして、その購入資金が500万円~2,000万円だとしたら、いかがでしょうか?

 

公的融資を使えば無担保無保証で3分の2は貸してくれます。

 

尚、自己資金が10%あれば残りの資金を貸してくれるというのは本当とは言い難いです。

 

すると、自己資金は170万円~700万円あれば良いことになります。

 

まあ、運転資金を考えれば500万円~1,000万円の自己資金は最低でも有った方が良いでしょうね。

 

中には、自己資金を用意してなくてすべて借入でまかないたいと考えている方もいらっしゃいますが、自分が貸主だとしたらそんな方に貸しますでしょうか?

 

常識で考えてみてください。

 

しかし、会社員のあなたなら、そして起業しようと準備していたあなたなら、自己資金は用意できますよね。

 

できれば、退職金には手を付けないで、それとは別に自己資金が有った方が良いです。

 

なので、お勧めするのは30代からスタートして、10年間で1,000万円を貯蓄することです。

 

そして、会社を買ったら、その会社の売上や利益を上げて企業価値を高めてください。

 

ここは、会社員経験者ならお得意のところですね。

 

会社員というのは、0(ゼロ)から1(イチ)を創り上げることはあまりやりません。

 

それよりも、1(イチ)を2~3にしたり、さらに5~10に増やしたりするのは得意です。

 

だから、まっさらな起業よりもスモールM&Aをお勧めするわけです。

 

そして、企業価値を高めたら、再度売ってください。

 

そして、その売ったお金でまた別の会社を買えば良いんです。

 

すると、当初はやりたいことができる会社を買ったわけはなくても、いずれやりたいことができる会社を買うことができるようになります。

 

なので、まずは得意なこと(強み)が活かせる会社を買うことをお勧めします。

 

では、どうやって売ってくれる会社を見つけるのか?

 

それは、私のネットワークを使ってください。

 

私は、日本で有数のスモールM&Aを実施しているグループに所属しています。

 

とは言っても、100%の保障をするわけではありません。

 

売買金額や事業を行っている場所、その会社の事業内容、売り主との相性、社員がいれば社員との関係性など、考慮しなければならないことは多々あります。

 

ゆえに、じっくり構えることも大切です。

 

逆に言えば、早めの準備が功を奏するとも言えます。

 

是非、私が開催するセミナーにお越しください。

 

そこで、情報提供しますので、リスクの少ない起業のきっかけを掴んでいただきたいと思います。

 

お会いできる日を楽しみにしています。

 

「小規模M&Aで会社員が起業するための7つのポイント」セミナーのご案内