20.ビジョンの作り方が分からない!

経営者である以上、曲がりなりにも会社の行く末に想いを馳せることもあるでしょう。

しかし、それがなかなか社員に伝わらずもどかしい思いをしている経営者の方も多いと推察いたします。

では、いったいどうすればその想いをビジョンという形に変えることができるのでしょうか?

 

(1) ソフトとハードを連携させる!

さて、前回の第5編では、経営システムの設計についての概要をお話させていただきました。

その概略としては、企業トップがビジョンを示し、その方向に向かって各階層ごとにビジョンと戦略を連鎖させていくことである、ということでした。

そしてさらに、それらの「ビジョンと戦略」を実現させていくにふさわしい「組織体制」が必要だということも最後に述べさせていただきました。

すなわち、「ビジョンと戦略」の連鎖という「想い」の部分とそれを実現させていく「組織体制」という「動き」の部分の両方が必要不可欠だということです。

言い換えれば、コンピューターの「ソフト」と「ハード」の関係と同じようなものということです。

つまり、どちらか一方だけでは何の役にも立たないと言えるわけです。

それでは、どうすればこの両方を満足させる「経営システム」が構築できるのでしょうか。

以下、この点についてお話を進めさせていただきたいと思います。

 

(2) いきなりビジョンを作れと言われても!

そこでまず重要なのは、いかにして「想いのこもったビジョン」を作成するのかということです。

「ビジョン」というのは、「目指すべき将来の姿(像)」のことです。 すなわち、静態的なものであり、その企業の当面のゴールでもあります。

多くの経営トップは、抽象的にせよ、漠然としたものであるにせよ、何らかの「ビジョン」はお持ちのことと思います。

しかし、それを示したところで現状とは全く異なるし、部下も理解できないのではないかというご心配もあろうかと思います。

また部下のほうでも、そのような「ビジョン」を示されても、ピンと来ないというのも事実です。

さらに残念ながら、経営トップ自身が、混迷する市場の中で、「ビジョン」そのものを見失っているということもあります。

それではどうすれば、経営トップが自信を持って明示でき、部下もその達成のために何を行えば良いのかという戦略が創りやすい「ビジョン」を作成することができるのでしょうか。

 

 

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19.業績を上げる組織を作れ!

 

ビジョンによって、現場の一人ひとりが自分の頭で判断できるようになります。

すると、経営のスピードが格段に速くなります。

そのためにも、どのような組織体制にすればよいのかが重要です。

しかも、当面の業績責任も忘れてはいけません。

部分を押さえながらも全体を最適化させるために、ビジョン実現を目指す組織体制を築きましょう。

 

(1) ビジョンの連鎖で主人公体制を確立せよ!

そしてさらに、これを受けて部門メンバーが、個人の「企業におけるビジョン」と「課題(戦略的課題)」を決めます。

このようにして決めていくと、トップから現場までの戦略が連鎖し、企業としては一体感を保つことができます。

しかも、それぞれの「ビジョン」がやる気(意欲)を引き出し、さらに、自分で決めた課題に対しては自主的に取り組むこととなり、その結果、社員全体の人的能力(価値創造力)を高めることにつながってきます。

これこそまさに、現場主導型経営で狙っている効果でもあります。

すると、ビジョン実現に向けて全社一丸となり、社員一人一人の主人公体制も確立することができるわけです。

 

(2) 当面の業績責任を果たせ!

しかし、ここで経営トップや部門長なら疑問に思うことがあるでしょう。

それは「今年の業績はどうするのか」という疑問です。

夢だけでは当然、企業は成り立って行きません。

そこで、課題(戦略的課題)を作り上げていくときに、「当面の業績責任」も当然加味していくわけです。

つまり、課題(戦略的課題)としては、「ビジョン」達成の方向と「当面の業績責任」達成の方向が両立したものが望ましいということです。

そしてさらに、企業における「個人のビジョン」も同様に達成されるものであれば言うことは有りません。

では、このようにして作成した課題(戦略的課題)を達成していくためには、どのような組織体制が必要となってくるのでしょうか。

 

(3) 組織体制はビジョンに従う!

ここで、はじめて「組織体制」について考えていくことになります。

これは、トップはトップマネジメントの観点で考え、部門長は部門マネジメントの観点で考え、個人はセルフマネジメントの観点で、各レベルに応じて考えていくことになります。

もちろん、「当面の業績責任」を達成するためには、現状の組織体制を是として考えなければならないことは当然です。

しかし、「ビジョン」作成の段階で現状の組織体制を是として発想すると、あまりにも現実的なものしか考えられなくなり、「ビジョン」とは呼べないものにしかなり得ません。

しかも、「是非実現したい」という想いも希薄になり、本気になって取り組もうとはしません。

すなわち、「絵に描いた餅」となってしまうわけです。

それでは、次回からは具体的にどうやって「想い」のこもった「ビジョン」を作り上げていったらよいのか、というテーマに入っていくことにいたします。

 

 

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18.ビジョンをブレイクダウンせよ!

企業ビジョンは、それだけでは動きを示すものではありません。

そこで、戦略に落としこんで動きを示す必要があります。

そのうえで、企業全体から部門という各パーツへ落とし込んでいく必要があります。

それが、部門長の役割でもあるわけです。

 

(1) ビジョンを戦略に落とせ!

そこで、次に行わなければならないことは、その状態を創るために「何」をしなければならないのかということです。

ここでいう「何」とは、具体的な行動レベルではなく、課題(戦略的課題)のことです。

なぜなら、いきなり具体的な行動を考えると、今やっていることの延長線にしかすぎず、しかもできそうなことしか出てこないからです。

すると、その行動を取り続けても「ビジョン」を達成することは難しくなります。

しかも結局、オペレーションのみを示すことになり、それが現場に降りていったときには、「そのとおり、どのように実行するのか」ということを考えさえすればよいことになります。

これでは結局、トップ主導型と何ら変わりはありません。

 

(2) 企業ビジョンから部門ビジョンへ連鎖させよ!

そこで、「ビジョン」達成のために、「何」を行わなければならないのかという「課題(戦略的課題)」が必要になるわけです。

このとき、この課題(戦略的課題)には、「ビジョン」実現に向けての動態的な取り組みの方向性が示されていなけれなりません。

言い方を変えれば、「ビジョン」を達成したときには、その企業がどんな役割や責任を果たしているのかという動きを示す内容が必要だということです。

これが示されると、それを受けて部門長が部門の「ビジョン」を作成します。

つまり、企業が企業の課題(戦略的課題)を果たしているときに、自部門をどんな姿にしたいのかということを決めるわけです。

そのうえで、自部門の「ビジョン」達成のために「何」をしなければいけないのかという課題(戦略的課題)を決めていきます。

 

 

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17.ビジョンを示して現場を巻き込め!

すべての企業がビジョンを必要としているわけではありません。

しかし、どんな企業でもいつかは必要になるときが来ます。

そのとき、組織がバラバラに動くのではなく、まとまって有機的に連携しながら動くためにもビジョンは重要です。

しかも、そのビジョンが、個人ビジョンによって包含されると大きな力を発揮します。

 

(1) 企業の成長段階とトップの考え方で変化する!

つまり、このシステムは市場の変化に合わせた柔軟性と機動力が要求されます。

故に、トップの意向にただ黙って従うのではなく、トップの意向に沿いながらも現場レベルでの戦略的判断が必要になってくるわけです。

さもないと、市場の変化についていけず、お客様から見離されてしまうことになります。

このとき必要となる研修は、トップの意向を汲みながらも、自部門や自分自身の戦略を構築するための考え方とやり方ということになるわけです。

但し、ここで注意しなければならないことがあります。

それは、企業の成長段階とトップの考え方です。

企業の成長段階とは、創業期にはかなり強烈なトップ主導が要求され、人材の充実とともに現場主導に移行していくという流れのことです。

ですから、創業して間も無い企業とかなり年数を経た企業では「経営システム」が異なるわけです。

また、トップの考え方とは、嗜好の違いです。

つまり、極端な言い方をすれば、昔の軍隊方式を好む経営者に現場主導型は合わないということです。

これらの注意点を踏まえながらも、これからの多くの企業が現場主導型経営に移行せざるを得ないということを前提にして「経営システム」の設計について話しを進めさせていただきたいと思います。

 

(2) 個人ビジョンで企業ビジョンを包含せよ!

まず、現場主導といっても何でもかんでも現場に任せてしまうわけではありません。

当然、企業ですからトップの意向が重要になります。

但し、ここでいうトップの意向とは、その企業が将来どんな企業になりたいのかという「将来の有るべき姿(ビジョン)」のことをさします。

ビジョン無き企業は、社員に夢も希望も与えることができません。

しかし、若い社員が多ければ、企業のビジョンよりも個人の給与の方が動機づけになることと思います。

とはいっても、いつまでもそれが続くわけではありません。

しかも、ある程度の生活基盤ができあがれば、その後、人間の「やる気」を引き出し続けるのは自己実現欲求の他無くなってきます。

つまり、どんな自分になりたいのかという個人ビジョンがそれを支えます。

この個人ビジョンが企業の中で満たされなければ、仕事における「やる気」も出なくなってしまいます。

 

(3) 企業ビジョンなくして成功なし!

ですから、企業においても「ビジョン」がなければ、社員個人を引き止めておくことは難しいということです。

さらに、現場主導で自部門や自分自身の戦略を構築していくときに、企業の「ビジョン」が大きな方向性を示すことになり、 トップから現場までの戦略に一本の筋を通すことになります。

すると、大きな方向に狂いが出ることなく、現場での判断が戦略的にできるようになり、現場主導型の効果が大きくなってきます。

そこで、企業トップがまず行わなければならないことは、企業の「ビジョン」を示すことと言えます。

但し、「ビジョン」とは将来の有るべき姿(像)のことです。

つまり、静態的な状態を指します。

 

 

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16.経営システムを革新せよ!

外部環境の変化に伴ってシステムを変更する必要があります。

しかし、どの方向に変化させればよいのか戸惑う場面も少なくありません。

やはり、これまでの延長線上で考えしまうのではないでしょうか?

ただし、そこを断ち切らなければ業績向上は望めません。

では、いったいどの方向へ変化させればよいのでしょうか?

 

(1) システムについての基本的な理解は?

さて、いよいよ今回から「人が動かすシステムとしての経営」の本題に入っていくことになります。

その前に、これまでにお話した内容を整理させていただきます。

1.システムそのものについての説明と分析的アプローチと設計的(デザイン)アプローチの違い
2.今後はデザインアプローチによるシステムの設計が必要な理由
3.デザインアプローチによって研修システムを構築し運営した場合の実例
4.デザインアプローチによって営業マンがお客様との共通課題を設定する場合の実例
5.システムを動かすのは「人」であり、その「人」の想いの強さがシステムの原動力であること

以上の様に、ここまでで、色々な角度からシステムについての理解をしていただきました。

そこでここではまず、経営システムの設計についての概要をお話させていただくことにいたします。

 

(2) トップ主導型から現場主導型へ!

これまで述べてきた中でも繰り返し出てきましたが、これからのマネジメントはトップ主導型ではなく現場主導型に移行しつつあります。

なぜなら、成長が期待される時代ならば、最初に「経営システム有りき」でオペレーションのみを考えれば良かったわけです。

このとき、社員は上司から「言われたことを言われたとおり」実行することを求められました。

言い換えれば戦略を作るのはトップであり、その実行部隊が社員だったというわけです。

すると、研修で求められるのも、このオペレーションをスムーズに進めていくための考え方とやり方になるわけです。

しかし、これからは市場の成長がほとんど期待できなくなってきました。

すると、市場の成長が見込める時代の「経営システム」から市場の成長が見込めない時代の「経営システム」へと革新をはかる必要が出てくるわけです。

しかも、このシステムは定型ではありません。

 

 

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15.単なるモノ売りからコンサルタントへ!

お客様は必要のないモノは買いません。

しかし、自社の売り上げ向上に役立つ場合は別です。

もしくは、効率が上がる場合も同様です。

ゆえに、いかにして自社の売りモノがお客様の売り上げ向上や効率向上に役立つかを訴える必要があります。

そのためには、今後、何に取り組んでいく必要があるのでしょうか?

 

(1) お客様の課題こそが販売戦略となる!

以上のようにして、この会社さんとの間で課題を共有化した私は、早速会社に帰り上司との相談のうえ、ある提案を持ち込み受注に成功しました。

もちろん、聴きだした情報はもっとたくさんありますし、会話も前記のようにスムーズに進んだわけではありません。

わかっていただきたいのは、私が聴き出して整理したのが、このお客様のビジョンであり、そのビジョン実現のためのSWOT(スウォット)だということです。

それらをもとにして考えていくと、この会社の取り組むべき方向性(課題)が見えてくるというわけです。

この課題が、言ってみればこの会社の「販売戦略」となります。

 

(2) 売り上げを伸ばして感謝される!

そこで、私どもの会社でその戦略実現のために、何をお手伝いできるかが提案の内容となります。

すると戦略実現のために私どもの協力が必要となるので、必然的に私どもから商品を購入せざるを得なくなるわけです。

よって、安易な条件交渉に自ら手を染めなくても良くなります。

しかも、私どもと付き合って売り上げまで延びるのですから、お客様から感謝されることになります。

まさに営業冥利につきるということです。

しかし、すべてのお客様にこれができるとは思っていません。

でも、この事を常に念頭に入れて商談を進めていくと、色々な情報がアンテナに引っ掛かってくるようになり、本当にお客様のことを考えるようになってきました。

しかも、これから自分が力を入れるに値するお客様かどうかの見極めも付くようになったので、無駄な動きをしなくて済むようになりました。

以上が私の経験談です。

皆さんの参考になれば幸いです。

 

(3) お客様の経営を理解せよ!

さて、ではこの営業マンは一体何を行ったのでしょうか。

それは結局、お客様企業の経営システムの構築に協力したといえるわけです。

この会社のビジョン実現のために、この会社自身が何をどうすれば良いのか(経営システム)を明確にし、そのうえで自社で対応できることを訴えました。

つまり、これからの営業マンは、お客様企業の経営そのものが理解できる力が要求されるということです。

さもないと、いつまで立っても価格競争の泥沼から抜け出ることはできません。

そこで次回からは経営システムの構築をどのようにすればできるのか、というテーマに入っていくことにします。

 

 

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14.お客様と営業はパートナーたれ!

お客様と営業がカウンターを挟んで対立関係に立っていると、「買う立場」「売る立場」という相対立する関係から脱却することはできません。

しかし、営業がカウンターの向こうに座ったとき、垣根が取り払われ、お客様と営業はパートナーの関係に立ちます。

では、いったいどうすればそれはできるのでしょうか?

 

(1) 儲かる話を求めている!

ここにこの「販売店」の戦略があります。

この戦略を「販売店」とともに作り上げることが、現在の私の大きなテーマとなっています。

そこで、実際にどのように作り上げていったのか、実例をご紹介いたします。

ある常連の「販売店」(取り引き規模は小さいが、こまめに顔を出しているところ)に訪問をして、売り込みをかけていたときのことです。

どう考えても他社より条件が良いにもかかわらず、お客様が首を縦に振ってはくれませんでした。

業を煮やした私は、怒りを抑えながら切り出しました。

「じゃあ社長どうすればうちと付き合ってくれるんですか。」

「儲かる話しを持ってきてくれれば付き合うよ。」

 

(2) 未来に目を向けろ!

「この条件だと十分儲かるじゃないですか。」

「でもそれは今回だけだろ。あっちはずいぶん付き合いが長いんだよ。」

「じゃあ今回だけでなければ良いんですね。」

「そうだよ。この先も付き合えるかどうかが問題なんだ。」

「社長はこの先どうしたいんですか。」

「そうだな。今の売り上げを2、3割は伸ばしたいな。」

「ということは12、3億円というところですか。」

「うん、それぐらいだね。」

 

(3) SWOTから課題化せよ!

「でも、どうやって。」

「それがわかれば苦労はしないよ。」

「確か社長のところは施工管理に定評がありましたね。」

「うん、でも営業力が今一つなんだ。」

「しかも、最近は大手参入が激しく、受注に影響を与えているということでしたね。」

「うん、それでも集合住宅の市場価格の低下は少なくて、何とかしのいでるってとこかな。」

「そうすると、施工管理の良さを前面に出しながら、営業力を強化し、集合住宅の分野に打って出る、というのが御社の課題ということでしょうか。」

「まあ、そんなところかな。」

「わかりました。ではそのために、当社で何がお手伝いできるかということを、次回提案させていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。」

「ああ、良いよ。」

 

 

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13.押し込みからの脱却を図る!

営業が自己都合でいくら押し込もうとしてもお客様に断られてしまいます。

しかし、お客様の立場に立って、お客様の売り上げを伸ばすことができれば、自ら進んで買ってくださいます。

では、どうすれば、お客様は自ら進んで買ってくださるのでしょうか?

 

(1) 仕事の質が変わってきた!

前回は、以下の点についてご理解いただきました。

1.営業マンが売るのは商品そのものではなく、お客様企業の「事業戦略」や「業務戦略」であること。
2.その「事業戦略」や「業務戦略」を作成するに際しては、お客様企業のビジョンとSWOT(スウォット)分析から導くと作成しやすいこと。

そこで第4編では具体的な例を挙げて解説を進めさせていただきます。

尚、ご理解いただきやすいように今回も物語風にさせていただくことをご了承ください。

私は、ある建設資材メーカーの営業マンです。

主なお客様は工務店に資材を卸す「販売店」となります。

その規模は、社長と奥さんだけというところから従業員数が十数名というところまでの小規模零細企業がほとんどです。

これまでの営業活動はというと、お客様からの電話注文への対応や訪問しての見積もり依頼に対する対応、それに工事現場への資材の搬入やクレーム処理といったものでした。

今でもこれらの仕事が無くなったわけではわけではありません。

しかし、現在では徐々に仕事の質が変わってきたのも事実です。

 

(2) 販売店の売り上げを上げろ!

では、何が変わったかというと、すべてのお客様に対して「何が本当に役に立つのか」ということを真剣に考えはじめたことです。

以前は、単に「価格」を安くすることとと、「納期」通りに商品を間に合わせるだけでお客様のお役に立っていると思っていましたが、現在はそうではありません。

確かに、この二つだけを求めるお客様も、まだたくさんいらっしゃいます。

しかし、よくよく本音を聞いてみると、どのお客様も「儲けたい」ということです。

では儲けるためにはどうすれば良いのか、「販売店」の仕入れ値を下げることだけに協力をしていれば良いのかということです。

これには当然限界があります。

それでは、何に焦点を合わせれば良いのかというと、後は売上高そのものを伸ばしていただくしか方法は無いということになります。

つまり、いかにして「販売店」に商品を売り込むかということではなく、いかにして「販売店」から工務店に商品を売っていただくかということです。

もっと言うならば、いかにして工務店からお施主様に売っていただくかということです。

これができたなら「販売店」の売り上げが伸びるため、価格競争に巻き込まれることも少なくなるわけです。

それでは一体どうすれば「販売店」の売上高は向上するのでしょうか。

 

 

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12.将来と現実の統合を図れ!

誰も今のままでよいとは思っていないでしょう。

どんなに裕福でも、「できるものなら、もう少し・・・。」という欲は大なり小なりあります。

ましてや、今日の財布に汲々としているお客様であれば何をかいわんやです。

しかし、夢だけで人は生きていけません。

また、現実だけでは毎日がつらくなります。

では、いったいどうすればよいのでしょうか?

 

(1) まず、ビジョンありき!

そこで、お客様から「将来の希望(ビジョン)」を聞き出します。

とはいっても、いきなり聞かれて答えられる人は少ないでしょう。

営業マンとしては、相談相手の姿勢で一緒になって作り上げていくスタンスが要求されます。

しかも、現実にはお客様が所属する会社の上位のビジョンや方針等も加味していかなければなりません。

しかし、「将来の希望(ビジョン)」を決めたからといって、それだけで「戦略」ができるわけではありません。

これだけでは単なる夢物語に終わってしまいます。

故に、このビジョンを実現するためには、やはりしっかりと 足元を見据えておく必要が有ります。

 

(2) 足元を固めよ!

では 足元とは何でしょうか。

それは、ビジョン実現のために用いる内部資源(現有資産)であり、それを取り巻く外部環境(物理的環境や経済環境)のことです。

内部資源を具体的に言うと、「人材の質や数、売るものの質や量、働く環境、予算、情報の質や量また伝達システム、時間」等です。

要するに、経営において必要とされる資源のすべてを指します。

そして、外部環境を具体的に言うと、「立地条件、得意先や仕入先等の質や数、自社内であっても他部門の協力度、為替レート、株価、消費税の行方」等です。

そこで、この内部資源と外部環境を正確に事実で捉えます。

そのうえで、ビジョン実現に役に立つかどうかを判断基準において、それぞれをさらに2つに分けます。

内部資源のうち、ビジョン実現に役に立つものを「強み(S:Strength)」と呼び、逆に足を引っ張るものを「弱み(W:Weakness)」と呼びます。

また、外部環境のうち、ビジョン実現に役に立つものを「機会(O:Opportunity)」と呼び、逆に足を引っ張るものを「脅威(T:Threat)」と呼びます。

こうやって分けることをSWOT(スウォット)分析と言います。

 

(3) SWOT分析から解決策へ!

この「SWOT」と「ビジョン」をしっかりと見つめていくと、その会社や部門、担当者が今後取り組まなければならない「戦略」が見えてきます。

そして、「戦略」実現のためにどうすれば よいのか、ということが、営業マンからお客様に対しての「提案(解決策)」になるわけです。

この提案の中に、営業マンが販売する商品等が入ってくると、先ほども述べたとおり、お客様はその商品等を喜んで買ってくれることになります。

それでは、次回からはこのような方法で「戦略」を作成するとどうなるのかということを実例を挙げて御紹介したいと思います。

 

 

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11.人が物を買う理由を考えろ!

今現在は買う気がないお客様は大勢います。

また、すでにおつきあいしている他社の営業もいることでしょう。

さらに、現状の仕入れ先等で特に問題があるわけではないこともあります。

そのような状況の中で、どうやって突破口を開けばよいのでしょうか?

何も解決策が見つからないような気もします。いかがでしょうか?

 

(1) 営業は戦略コンサルタントたれ!

では、具体的に見ていくことにしましょう。

尚、これからご説明させていただく営業スタイルが通用するのは、以下のような営業マンの方々です。

1.得意先が小売店か卸売店である営業マン。
2.得意先がエンドユーザーであっても販売する商品等を使ってそのエンドユーザーが仕事をする場合、そのエンドユーザーに商品等を販売する営業マン。

そこで、以上のような営業マンが何をしなければいけないのかというと、

1.の営業マンはお客様の「事業戦略」。
-小売店や卸売店が儲かる仕組みを作る-

2.の営業マンはお客様の「業務戦略」。
-エンドユーザーの仕事の効率性や効果性を上げる-

をお客様とともに作り上げるということです。

この戦略実践のための提案(解決策)の中に、営業マンが扱っている商品等が入っていれば、お客様は喜んでその商品等を買ってくださるわけです。

なぜなら、お客様は自分の課題が解決するからです。

では、どうやってお客様の「事業戦略」等を作成すれば よいのでしょうか。

 

(2) お客様の目を将来に向けさせよ!

このときに、お客様の「現在の問題や悩みは何か」ということだけに焦点を合わせないことが大切です。

なぜなら、対症療法に終始してしまい、お役立ちの質や量も小さく、「労多くして益少なし」になりやすいからです。

しかも、本当にそれが問題なら自分で解決しているはずです。

にもかかわらず、問題や悩みとして存在するということは、現状どうしようもないということも考えられます。

特に、ライバル社とつきあっているお客様の場合には、「現在の問題や悩み」を解決するための提案を持っていったとしても、ライバル社に取って代われるほどのインパクトのある提案にはなりにくいことが予測できます。

ですからお客様に「確かにそれは大事なことだと思うが、色々としがらみも有って・・・。」と言われて断られるのがおちです。

つまり、現状を改善するような提案では「戦略」として魅力が乏しく、お客様の食指を動かすことができないということです。

そこで、お客様の目を「現状」ではなく「将来」に向けさせることが必要になってきます。

なぜなら、現状は営業マンがお勧めする商品等を「買えない」理由がたくさんあっても、将来はわからないからです。

しかも、将来は現状より、より良くなっていたいと思うのが人情だからです。

そこに「戦略」の必要性が出てきます。 より よい「将来」を創るために何をすれば よいのか、それがお客様自身の「事業戦略」であり、「業務戦略」ということになります。

 

 

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