23.夢を語れ!しかし、現実を直視せよ!

ビジョンというと「夢物語」と考えて、実利主義でないという観点から嫌う方もいます。

しかし、目指す姿を示さずして何が経営でしょうか?

そこで、「夢物語」に終わらない実利主義にもかなったビジョンさえ作れればよいということになります。
では、いったいどうすればよいのでしょうか?

 

(1) 機能からビジョンを考える理由!

前回は、将来の経営システムを設計する場合、まず、ビジョン(将来像)から決定するのではなく、ビジョンを達成するための「機能(役割や責任)」から決定する方が現実的であるというお話をさせていただきました。

その理由としては以下のものが考えられます。

1.ビジョンから決定しようとすると、そのビジョンがどんなに素晴らしいものであったとしても、そのビジョンが創られた背景が不明瞭であり、社員を本気にさせきれない。

2.また、ビジョンそのもが、現実の業務内容からかけ離れ、社員にとっては夢物語としか思えないものとなる。

3.1.と2.を整理すると、結局、そのビジョンは社員から見ると「社長の戯言」としか受け取れないということになる。

4.逆に、現実をあまり考慮に入れすぎると、今度は、過去の延長線上の発想から抜けきれず、ビジョンというにはおこがましく、経営者の想いも感じられず、また社員に夢も希望も与えられないものになってしまう。
以上のように、ビジョンから決定するには、あまりにも難しい要素が有りすぎるということです。

 

(2) 経営システムの「機能」から決定する!

これは、前回でも述べたとおり、経営システムのアウトプットから決定しようとすることに無理があるのです。

では、現実を直視しながらも、過去の延長線ではなく、社員に夢や希望を与え、企業に革新を起こす様なビジョンをどうやって創り上げれば良いのでしょうか。

それは、現状の機能(役割や責任)をベースにして、その機能を広げていけば良いのです。

すなわち、経営システムの「機能」の決定からまず行うということです。

そのうえで、広げた「機能」によってアウトプットされる「企業の姿」をビジョンとすれば、現状を踏まえながらも想いのこもった、しかも夢や希望の持てるものが創り上げられるということです。

それでは、実例を挙げながら説明をさせていただくことにいたします。

読者すべての方にご理解いただけるようにするために、今回は僭越ながら教育研修会社を例に挙げることをお許し下さい。

 

 

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