「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず(方丈記)」というように、まさに企業も変遷を繰り返します。
立ち止まらず常に前進するためにも、企業の進む方向を模索し続ける必要があるでしょう。
(1) 機能を満たす手段がビジョンのヒント!
すると、機能を広げていく過程で次のようなものが出てくる可能性が推察されます。
「複数の人に同時に、動画と音声によって様々な情報を提供する」
すると、この機能を満たすものの一つとしてTVが考えられるということです。
すなわち、映画産業をシステムで捉えると「映画」そのものはこのシステムの手段です。
この手段「映画」から「TV」というものを連想するのは、「TV」というものが生まれたばかりの頃にはかなり難しいものがあります。
しかも、「TV」というものがあってこそ、初めて連想できるわけです。
しかし、目指すべき機能が明らかになっていれば、それを達成する手段はあとからでも考えることができます。
そしてまた、そのような機能を満たすものを探すことも可能となるわけです。
(2) 経営トップは会社の機能を明確にせよ!
故に、経営トップは、まず自社が現在担っている機能(役割や責任)を手がかりにして、目指すべき将来の機能(役割や責任)を明確にし、そのうえでその機能が満たされている状態(姿)をビジョンとして表現すれば良いということです。
すると、その過程において経営トップの想いも固まってきます。
しかも、その機能(役割や責任)を満たすためには、さらに細分化した機能(役割や責任)が必要となりますが、その細分化した機能(役割や責任)を満たす部署が、今後必要とされる部署ということになり、新たな「組織体制」の構築さえも可能となってきます。
さらに、経営トップの「目指すべき将来の機能(役割や責任)」と「ビジョン」を受けた各役員は、担当部門でその機能(役割や責任)のどの部分を受け持つのかを決定し自部門の機能(役割や責任)を明らかにすることによって、トップからの連鎖を保ちつつ、自部門のビジョンも明確にしやすくなります。
そのうえ、将来の「組織体制」さえも構築しやすくなるというメリットも生じます。
それでは、次回からはこの手法を使った場合とそうでない場合で、どのようになるのかということを実例でご紹介したいと思います。