10.営業とは何をする仕事か?

営業が売りたい気持ちが強いことはよく分かります。

そうでないと、営業の仕事は務まりません。

しかし、「売らんかな」の気持ちが強すぎると・・・。

買う方は遠慮したくなってしまいます。

そこで、買いたくなる気持ちをいかに起こすかが重要なポイントになってきます。

では、いったいどうすればそれはできるのでしょうか?

 

(1) 営業は誇りの持てる仕事?

それでは、いったい「営業とは何をする仕事」なのでしょうか。

そこで、先ほどの営業の「機能」に再登場してもらいます。

営業とは「自社の商品とお客様を結び付ける」という機能を持った仕事。

ではそれは「何のため」なのでしょうか、また「その目的」は何でしょうか。

これまでにご紹介したとおり「機能展開」を行っていくと、次のような機能が考え出されます。

営業とは「自社の商品・システム・サービス(以下、商品等という)でお客様の儲けを大きくする」という機能を持った仕事。

そこで、どうやってこの機能を満たせば よいのかということを考えてみましょう。

以下に例を挙げて見ます。

1.自社の商品等でお客様のコスト削減を図る。
2.自社の商品等でお客様の売り上げ向上を図る。
3.自社の商品等でお客様の現状もしくは将来にわたる問題解決をはかる。
等々。

すると、これこそがお客様が本来求めていることであり、また営業にとってもこの観点でお客様のお役に立てるのなら誇りも感じられようというものです。

 

(2) 目的と手段の不均衡は破たんする!

そこで、この観点で営業という仕事を捉えると、「営業に対する指導や教育」は、また「支援システム」はどのようなものが必要なのかは、先ほどとは打って変わったものになることは推して知るべしでしょう。

以上のように、営業という仕事の機能をどのように捉えるかによって、その機能を満たす手段、上司の指導・教育、営業支援システムがすべて変わってくるわけです。

ところが、営業という仕事を単純に「自社の商品とお客様を結び付ける」ものと捉えているにもかかわらず、手段だけを後者の機能(「自社の商品等でお客様の儲けを大きくする」)から考えられるものに替えようとしている企業が少なからずあることに危惧を感じます。

このままでは、どんなに よい手段を取り入れようとしても根本機能から違っているため、現場で矛盾を起こし絶対に成功することはありません。

なぜなら、前者の機能は「自社の商品とお客様を結び付ける」ことなので、そのための手段は下記の1.から4.でなければならないからです。

1.無料で置いてくる。
2.値引きして買わせる。
3.接待などで取り入って買ってもらう。
4.脅して買わせる。

決して、下記の5.や6.にはならないはずです。

5.お客様の現状の問題解決に役に立つことを理解させて買っていただく。
6.お客様の将来の問題解決にまで役立つことを理解させて買っていただく。

故にこれから述べることは、営業という仕事を後者の機能(「自社の商品等でお客様の儲けを大きくする」)と捉えている企業にしか通用しないことをあらかじめお断りしておきます。

 

(3) 営業はお客様の事業戦略を作れ!

それでは、後者の機能(「自社の商品等でお客様の儲けを大きくする」)を満たし、下記の1.から3.の手段を達成するために、営業は何をする必要が有るのでしょうか。

1.自社の商品等でお客様のコスト削減を図る。
2.自社の商品等でお客様の売り上げ向上を図る。
3.自社の商品等でお客様の現状もしくは将来にわたる問題解決をはかる。

それは、「コスト削減」のために、「売り上げ向上」のために、また「問題解決」のために、「お客様が「何に取り組む必要があるのか」という「課題」をお客様とともに作り上げるほかないのです。

つまり、言葉を変えると「お客様の事業戦略づくりのお手伝い」ということになります。

 

 

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