9.目的によって仕事の価値が変わる

お客様はどんな営業と付き合いたいと思っているのでしょうか?

ともかく安くしてくれればよい?

何でも言うことを聞いてくれればよい?

接待に連れてってくれればよい?

確かに、それも一理あります。

しかし、高くても、言うことを聞かなくても、接待をしなくても、売ってくる営業がいます。

はてさて、いったい何が違うのでしょうか?

 

(1) 得意先の活性化を考えろ!

前回まででご理解いただいたことは次の通りです。

1.システムはF(ファンクション:機能)、 I (インプット:入力されるもの)、O(アウトプット:出力されるもの)の3つによって構成されるものであること。

2.システムは最終的に「人」が動かすものであること。

3.システムの構築は、 I やOを先に決める(分析的アプローチ)のではなく、まずFから決める(デザインアプローチ)方が、画期的かつ現実的に行えること。

4.経営もシステムで捉えることができること。

5.「人」に対する教育も経営システム全体をにらんで実施しないと効果が出ないこと。

これらを踏まえて第3編では、営業マンが得意先である卸売店や小売店の活性化(経営指導や課題解決)を図っていくときに、どのように考えていけばよいのかということをシステムで捉えてみたいと思います。

 

(2) 営業は誇りの持てない仕事?

このテーマを考えるに当たって最も重要なことは、「営業とは何をする仕事か」ということです。

この捉えかたの違いで、日々の営業活動が大きく変わり、それに伴って上司の営業マンに対する指導・教育方法や営業活動の支援システムも大きく変わってきます。

例えば、営業とは「自社の商品とお客様を結び付ける仕事」と捉えるとどのようになるでしょうか。

すると、この営業システムの機能(F)は「自社の商品とお客様を結び付ける」となり、インプット( I )は「自社の商品」と「お客様」であり、アウトプット(O)は「自社の商品と結びついたお客様」もしくは「お客様と結びついた自社の商品」ということになります。

ではどうやって「自社の商品とお客様を結び付ける」ことができるのでしょうか。

これは色々考えられます。 以下に例を挙げておきましょう。

1.無料で置いてくる。
2.値引きして買わせる。
3.接待などで取り入って買ってもらう。
4.脅して買わせる。
5.お客様の現状の問題解決に役に立つことを理解させて買っていただく。
6.お客様の将来の問題解決にまで役立つことを理解させて買っていただく。
等々。

1.から4.まではどうも違うなと当然思われることでしょう。

しかし、それは我々が、営業とは少なくとも1.から4.の様な仕事ではないと、すでに理解しているからこそ判断できることなのです。

ということは、少なくとも営業という仕事は、単純に「自社の商品とお客様を結び付ける仕事」ではないということなのです。

もし、このような仕事だとすると、「営業に対する指導や教育」は、また「支援システム」はどうなってしまうかは推して知るべしでしょう。

そして、分け知り顔の上司や先輩がこう言うのです。「5.や6.の意味も確かに有るかもしれないが、所詮営業というのは・・・」。

これでは、営業の誇りを微塵も感じられないどころか、まったくもってお客様を馬鹿にしているのにも程があります。

 

 

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