リーダーシップの縦と横

リーダーシップの縦というのは、「指示・命令」のことです。

小型船が浸水してきたら、船長が「水をかき出せ!」と船員に言いますね。

言い換えれば、「強制力」のことです。

有無を言わさずメンバーを動かすときに使う手法です。

緊急事態に適しています。

ただし、使いすぎると独裁的になり、メンバーを指示待ちにしてしまいます。

なので、メンバーが育ちにくくなります。

それに対して、リーダーシップの横というのは、「メンバーの競争意識を刺激すること」です。

これが説明しにくかったんですが、最近になって適当な事例が出てきました。

「自粛要請」です。

「指示・命令」ではなく、「お願い」ですね。

この「お願い」で、多くの方は自粛に従いました。

そこに働いていたのは、「同調圧力」です。

言い換えれば、リーダーシップの横というのは「同調圧力を使うこと」と言えるでしょう。

だから、良い悪いは別にして、「自粛警察」なんてのも出てくるわけです。

メンバー同志、お互いがお互いを監視してリーダーの意図を汲んで動きます。

そして、メンバーは、メンバーなりに様々な工夫をして対応します。

なので、メンバーが育ちやすいという要素はあります。

これが、リーダーシップの横です。

リーダーとしては、ほとんど何もしないで良いので楽です。

しかし、使いすぎると、どうなると思いますか?

メンバーは思います。

「うちのリーダーはメンバー任せで何もしない無能者」だと。

ゆえに、優秀なリーダーは、リーダーシップの縦でメンバーの気を引き締めると共に、リーダーシップの横でメンバーの自主性を引き出すわけです。

この使い分けが、リーダーシップの妙ということになります。

ZOOM研修とリアル研修の行方

(外部講師を招聘して自社の社員に対して行う「企業主催の研修」を前提にしています。)

リアル研修は当然のことながらなくなりませんね。

やはり、ZOOM研修は講師も受講者もやりにくいです。

特に、リアル研修の方が効果的、効率的と思われるコンテンツを、わざわざZOOMで行うことはないでしょう。

ただし、リアル研修の実施にリスクがある場合には、代替措置としてZOOMが使われることは当然ありますね。

今回の新型コロナのようにウィルス感染が蔓延し、特効薬もワクチンも開発されていない場合です。

集合することにリスクがあるわけです。

しかし、その必要がない場合には、リアル研修が選択されることは当然ですね。

そうは言っても、今後はコンテンツによっては、リアル研修からZOOM研修に移行することは考えられます。

では、どんなコンテンツがどちらの研修で実施されるのか?

以前、eラーニングが流行ったことがありました。

リアル研修もすべてeラーニングにとって代わられるのではと思うぐらいの勢いでしたね。

私も研修コンテンツをDVD化したことがあります。

そして、その閲覧やテスト受験の際にはネットにアクセスしないと利用できないというeラーニングのシステムを使いました。

しかし、リアル研修がすべてeラーニングにとって代わられることはありませんでした。

今でもeラーニングでうまくいっているコンテンツは、知識習得系のコンテンツですね。

代表的なものは、資格取得です。

しかも、10年以上前から動画を使ったものも出てきていますね。

講義部分は動画で学び、練習問題もネットで行えます。

これは、時間と場所を選ばないので、遠方の方や時間のとりにくい方に喜ばれています。

さらには、今のZOOMのように講師一人と受講者数人と双方向で質疑応答ができるシステムも開発されています。

しかし、リアル研修に大して影響はありませんでした。

今では、リアル研修とeラーニングは棲み分けがなされています。

ちなみに、eラーニングが流行った背景には、研修料金が安くなるという神話があったこともその一因になっています。

ただ、eラーニングに適したコンテンツもそうでないコンテンツも、eラーニングにしたときに料金が安くなるとは限りません。

かえって高くなることもあります。

コンテンツも講師も、そしてシステムもすべて自社開発すれば別ですが・・・。

これを今のZOOM研修に当てはめてみると、同じ結果になることが予想されます。

ただし、学校の授業の一部はeラーニングやZOOMを使ったものに代えることができますね。

しかも、リアル研修に適したコンテンツでも、以前よりは講義部分がZOOMではなく動画に置き換わることは考えられます。

なぜなら、講義部分に双方向性はさほど必要はないのでZOOMの必要性がないからです。

しかも、グループミーティングやロールプレイングはZOOMでできないことはないとは言え、決して適しているとは言い難いです。

ちなみに、質疑応答は講義後のリアル研修で行えば良いだけです。

念のために補足すると、リアル研修に適したコンテンツの場合には、講義部分が動画に代わったとしても、必ずリアル研修は行われます。

なぜなら、グループミーティングやロールプレイングが必要なコンテンツだからです。

なので、いずれ熱が冷めれば、動画部分もまたリアル研修に戻ると思います。

ゆえに、今後はリアル研修にリスクがない限り、リアル研修とZOOM研修は棲み分けがなされるということです。

しかも、これまでリアル研修で行ってきたものが、ZOOM研修に置き換わることはほとんどありません。

もしあるのなら、それはすでにeラーニングで対応しているからです。