リーダーシップの縦と横

リーダーシップの縦というのは、「指示・命令」のことです。

小型船が浸水してきたら、船長が「水をかき出せ!」と船員に言いますね。

言い換えれば、「強制力」のことです。

有無を言わさずメンバーを動かすときに使う手法です。

緊急事態に適しています。

ただし、使いすぎると独裁的になり、メンバーを指示待ちにしてしまいます。

なので、メンバーが育ちにくくなります。

それに対して、リーダーシップの横というのは、「メンバーの競争意識を刺激すること」です。

これが説明しにくかったんですが、最近になって適当な事例が出てきました。

「自粛要請」です。

「指示・命令」ではなく、「お願い」ですね。

この「お願い」で、多くの方は自粛に従いました。

そこに働いていたのは、「同調圧力」です。

言い換えれば、リーダーシップの横というのは「同調圧力を使うこと」と言えるでしょう。

だから、良い悪いは別にして、「自粛警察」なんてのも出てくるわけです。

メンバー同志、お互いがお互いを監視してリーダーの意図を汲んで動きます。

そして、メンバーは、メンバーなりに様々な工夫をして対応します。

なので、メンバーが育ちやすいという要素はあります。

これが、リーダーシップの横です。

リーダーとしては、ほとんど何もしないで良いので楽です。

しかし、使いすぎると、どうなると思いますか?

メンバーは思います。

「うちのリーダーはメンバー任せで何もしない無能者」だと。

ゆえに、優秀なリーダーは、リーダーシップの縦でメンバーの気を引き締めると共に、リーダーシップの横でメンバーの自主性を引き出すわけです。

この使い分けが、リーダーシップの妙ということになります。