15.単なるモノ売りからコンサルタントへ!

お客様は必要のないモノは買いません。

しかし、自社の売り上げ向上に役立つ場合は別です。

もしくは、効率が上がる場合も同様です。

ゆえに、いかにして自社の売りモノがお客様の売り上げ向上や効率向上に役立つかを訴える必要があります。

そのためには、今後、何に取り組んでいく必要があるのでしょうか?

 

(1) お客様の課題こそが販売戦略となる!

以上のようにして、この会社さんとの間で課題を共有化した私は、早速会社に帰り上司との相談のうえ、ある提案を持ち込み受注に成功しました。

もちろん、聴きだした情報はもっとたくさんありますし、会話も前記のようにスムーズに進んだわけではありません。

わかっていただきたいのは、私が聴き出して整理したのが、このお客様のビジョンであり、そのビジョン実現のためのSWOT(スウォット)だということです。

それらをもとにして考えていくと、この会社の取り組むべき方向性(課題)が見えてくるというわけです。

この課題が、言ってみればこの会社の「販売戦略」となります。

 

(2) 売り上げを伸ばして感謝される!

そこで、私どもの会社でその戦略実現のために、何をお手伝いできるかが提案の内容となります。

すると戦略実現のために私どもの協力が必要となるので、必然的に私どもから商品を購入せざるを得なくなるわけです。

よって、安易な条件交渉に自ら手を染めなくても良くなります。

しかも、私どもと付き合って売り上げまで延びるのですから、お客様から感謝されることになります。

まさに営業冥利につきるということです。

しかし、すべてのお客様にこれができるとは思っていません。

でも、この事を常に念頭に入れて商談を進めていくと、色々な情報がアンテナに引っ掛かってくるようになり、本当にお客様のことを考えるようになってきました。

しかも、これから自分が力を入れるに値するお客様かどうかの見極めも付くようになったので、無駄な動きをしなくて済むようになりました。

以上が私の経験談です。

皆さんの参考になれば幸いです。

 

(3) お客様の経営を理解せよ!

さて、ではこの営業マンは一体何を行ったのでしょうか。

それは結局、お客様企業の経営システムの構築に協力したといえるわけです。

この会社のビジョン実現のために、この会社自身が何をどうすれば良いのか(経営システム)を明確にし、そのうえで自社で対応できることを訴えました。

つまり、これからの営業マンは、お客様企業の経営そのものが理解できる力が要求されるということです。

さもないと、いつまで立っても価格競争の泥沼から抜け出ることはできません。

そこで次回からは経営システムの構築をどのようにすればできるのか、というテーマに入っていくことにします。

 

 

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