お客様と営業がカウンターを挟んで対立関係に立っていると、「買う立場」「売る立場」という相対立する関係から脱却することはできません。
しかし、営業がカウンターの向こうに座ったとき、垣根が取り払われ、お客様と営業はパートナーの関係に立ちます。
では、いったいどうすればそれはできるのでしょうか?
(1) 儲かる話を求めている!
ここにこの「販売店」の戦略があります。
この戦略を「販売店」とともに作り上げることが、現在の私の大きなテーマとなっています。
そこで、実際にどのように作り上げていったのか、実例をご紹介いたします。
ある常連の「販売店」(取り引き規模は小さいが、こまめに顔を出しているところ)に訪問をして、売り込みをかけていたときのことです。
どう考えても他社より条件が良いにもかかわらず、お客様が首を縦に振ってはくれませんでした。
業を煮やした私は、怒りを抑えながら切り出しました。
「じゃあ社長どうすればうちと付き合ってくれるんですか。」
「儲かる話しを持ってきてくれれば付き合うよ。」
(2) 未来に目を向けろ!
「この条件だと十分儲かるじゃないですか。」
「でもそれは今回だけだろ。あっちはずいぶん付き合いが長いんだよ。」
「じゃあ今回だけでなければ良いんですね。」
「そうだよ。この先も付き合えるかどうかが問題なんだ。」
「社長はこの先どうしたいんですか。」
「そうだな。今の売り上げを2、3割は伸ばしたいな。」
「ということは12、3億円というところですか。」
「うん、それぐらいだね。」
(3) SWOTから課題化せよ!
「でも、どうやって。」
「それがわかれば苦労はしないよ。」
「確か社長のところは施工管理に定評がありましたね。」
「うん、でも営業力が今一つなんだ。」
「しかも、最近は大手参入が激しく、受注に影響を与えているということでしたね。」
「うん、それでも集合住宅の市場価格の低下は少なくて、何とかしのいでるってとこかな。」
「そうすると、施工管理の良さを前面に出しながら、営業力を強化し、集合住宅の分野に打って出る、というのが御社の課題ということでしょうか。」
「まあ、そんなところかな。」
「わかりました。ではそのために、当社で何がお手伝いできるかということを、次回提案させていただきたいと思いますがよろしいでしょうか。」
「ああ、良いよ。」