「交渉」を成功させるには、
相手にとってのメリットがないとダメです。
そのためには、人間を理解することが
「交渉」のスタートと言えるでしょう。
では、人間理解のためにも最低限押さえておくべきことは
何でしょうか?
人間の行動のベースには、「欲求」があります。
マズローの欲求5階層説が分かりやすいので、
簡単にご紹介しておきます。
まず、人間が最初に求める欲求が「生理的欲求」です。
生命維持の欲求であり、食欲・性欲・睡眠欲等々です。
これらがほぼ満たされると、
意識する欲求のレベルが上がります。
次が、「安全の欲求」です。
危険から身を守りたいという欲求であり、
暑さ・寒さから逃れたいとか、
災害から身を守りたいという欲求です。
これらがほぼ満たされると、
また意識する欲求のレベルが上がります。
次が、「社会的欲求」です。
仲間を作りたいという欲求であり、
家族を作ったり、友達を作ろうとする欲求です。
これらがほぼ満たされると、
さらに意識する欲求のレベルが上がります。
次が、「自我の欲求」です。
仲間から認められたいという欲求であり、
褒められたり、存在承認を求める欲求です。
これらがある程度満たされると、
もっと意識する欲求のレベルが上がります。
最後が、「自己実現の欲求」です。
自分らしくありたいという欲求であり、何ごとにも縛られず、
自由に自分の価値を提供したいという欲求です。
このように、人間には欲求があり、
それを満たしてあげることが相手にメリットを与えることになり、
交渉のスタートを切ることにつながります。
ただ、飲食を提供すればそれでよいというわけではありません。
接待という交渉手段もありますが、あくまでも付随的手段で
今回のテーマではありません。
そこで、やはり重視すべきは「自我の欲求」でしょうね。
交渉相手として「重要な人間であると認められたい」
という欲求は常にあります。
ゆえに、あなたは尊重の気持ちを持って接することが
重要なポイントになります。
ちなみに、あなた自身は交渉に意欲を持って臨んでいるでしょうか?
ここが確立していないと、
いくら相手の理解を深めようとしても意味がありませんね。
あなたに意欲が無ければ、
最初から交渉は相手次第になってしまうからです。
是非とも、自分でも自分自身の欲求を見つめ、
どんな状態を創り上げたいのかというビジョンを
明確にしていただくと良いでしょう。
交渉のベースが固まったら、いよいよ交渉のスタートです。
では、次回は交渉手順の概要を見てみることにしましょう。