企業ビジョンは、それだけでは動きを示すものではありません。
そこで、戦略に落としこんで動きを示す必要があります。
そのうえで、企業全体から部門という各パーツへ落とし込んでいく必要があります。
それが、部門長の役割でもあるわけです。
(1) ビジョンを戦略に落とせ!
そこで、次に行わなければならないことは、その状態を創るために「何」をしなければならないのかということです。
ここでいう「何」とは、具体的な行動レベルではなく、課題(戦略的課題)のことです。
なぜなら、いきなり具体的な行動を考えると、今やっていることの延長線にしかすぎず、しかもできそうなことしか出てこないからです。
すると、その行動を取り続けても「ビジョン」を達成することは難しくなります。
しかも結局、オペレーションのみを示すことになり、それが現場に降りていったときには、「そのとおり、どのように実行するのか」ということを考えさえすればよいことになります。
これでは結局、トップ主導型と何ら変わりはありません。
(2) 企業ビジョンから部門ビジョンへ連鎖させよ!
そこで、「ビジョン」達成のために、「何」を行わなければならないのかという「課題(戦略的課題)」が必要になるわけです。
このとき、この課題(戦略的課題)には、「ビジョン」実現に向けての動態的な取り組みの方向性が示されていなけれなりません。
言い方を変えれば、「ビジョン」を達成したときには、その企業がどんな役割や責任を果たしているのかという動きを示す内容が必要だということです。
これが示されると、それを受けて部門長が部門の「ビジョン」を作成します。
つまり、企業が企業の課題(戦略的課題)を果たしているときに、自部門をどんな姿にしたいのかということを決めるわけです。
そのうえで、自部門の「ビジョン」達成のために「何」をしなければいけないのかという課題(戦略的課題)を決めていきます。