営業が自己都合でいくら押し込もうとしてもお客様に断られてしまいます。
しかし、お客様の立場に立って、お客様の売り上げを伸ばすことができれば、自ら進んで買ってくださいます。
では、どうすれば、お客様は自ら進んで買ってくださるのでしょうか?
(1) 仕事の質が変わってきた!
前回は、以下の点についてご理解いただきました。
1.営業マンが売るのは商品そのものではなく、お客様企業の「事業戦略」や「業務戦略」であること。
2.その「事業戦略」や「業務戦略」を作成するに際しては、お客様企業のビジョンとSWOT(スウォット)分析から導くと作成しやすいこと。
そこで第4編では具体的な例を挙げて解説を進めさせていただきます。
尚、ご理解いただきやすいように今回も物語風にさせていただくことをご了承ください。
私は、ある建設資材メーカーの営業マンです。
主なお客様は工務店に資材を卸す「販売店」となります。
その規模は、社長と奥さんだけというところから従業員数が十数名というところまでの小規模零細企業がほとんどです。
これまでの営業活動はというと、お客様からの電話注文への対応や訪問しての見積もり依頼に対する対応、それに工事現場への資材の搬入やクレーム処理といったものでした。
今でもこれらの仕事が無くなったわけではわけではありません。
しかし、現在では徐々に仕事の質が変わってきたのも事実です。
(2) 販売店の売り上げを上げろ!
では、何が変わったかというと、すべてのお客様に対して「何が本当に役に立つのか」ということを真剣に考えはじめたことです。
以前は、単に「価格」を安くすることとと、「納期」通りに商品を間に合わせるだけでお客様のお役に立っていると思っていましたが、現在はそうではありません。
確かに、この二つだけを求めるお客様も、まだたくさんいらっしゃいます。
しかし、よくよく本音を聞いてみると、どのお客様も「儲けたい」ということです。
では儲けるためにはどうすれば良いのか、「販売店」の仕入れ値を下げることだけに協力をしていれば良いのかということです。
これには当然限界があります。
それでは、何に焦点を合わせれば良いのかというと、後は売上高そのものを伸ばしていただくしか方法は無いということになります。
つまり、いかにして「販売店」に商品を売り込むかということではなく、いかにして「販売店」から工務店に商品を売っていただくかということです。
もっと言うならば、いかにして工務店からお施主様に売っていただくかということです。
これができたなら「販売店」の売り上げが伸びるため、価格競争に巻き込まれることも少なくなるわけです。
それでは一体どうすれば「販売店」の売上高は向上するのでしょうか。