12.将来と現実の統合を図れ!

誰も今のままでよいとは思っていないでしょう。

どんなに裕福でも、「できるものなら、もう少し・・・。」という欲は大なり小なりあります。

ましてや、今日の財布に汲々としているお客様であれば何をかいわんやです。

しかし、夢だけで人は生きていけません。

また、現実だけでは毎日がつらくなります。

では、いったいどうすればよいのでしょうか?

 

(1) まず、ビジョンありき!

そこで、お客様から「将来の希望(ビジョン)」を聞き出します。

とはいっても、いきなり聞かれて答えられる人は少ないでしょう。

営業マンとしては、相談相手の姿勢で一緒になって作り上げていくスタンスが要求されます。

しかも、現実にはお客様が所属する会社の上位のビジョンや方針等も加味していかなければなりません。

しかし、「将来の希望(ビジョン)」を決めたからといって、それだけで「戦略」ができるわけではありません。

これだけでは単なる夢物語に終わってしまいます。

故に、このビジョンを実現するためには、やはりしっかりと 足元を見据えておく必要が有ります。

 

(2) 足元を固めよ!

では 足元とは何でしょうか。

それは、ビジョン実現のために用いる内部資源(現有資産)であり、それを取り巻く外部環境(物理的環境や経済環境)のことです。

内部資源を具体的に言うと、「人材の質や数、売るものの質や量、働く環境、予算、情報の質や量また伝達システム、時間」等です。

要するに、経営において必要とされる資源のすべてを指します。

そして、外部環境を具体的に言うと、「立地条件、得意先や仕入先等の質や数、自社内であっても他部門の協力度、為替レート、株価、消費税の行方」等です。

そこで、この内部資源と外部環境を正確に事実で捉えます。

そのうえで、ビジョン実現に役に立つかどうかを判断基準において、それぞれをさらに2つに分けます。

内部資源のうち、ビジョン実現に役に立つものを「強み(S:Strength)」と呼び、逆に足を引っ張るものを「弱み(W:Weakness)」と呼びます。

また、外部環境のうち、ビジョン実現に役に立つものを「機会(O:Opportunity)」と呼び、逆に足を引っ張るものを「脅威(T:Threat)」と呼びます。

こうやって分けることをSWOT(スウォット)分析と言います。

 

(3) SWOT分析から解決策へ!

この「SWOT」と「ビジョン」をしっかりと見つめていくと、その会社や部門、担当者が今後取り組まなければならない「戦略」が見えてきます。

そして、「戦略」実現のためにどうすれば よいのか、ということが、営業マンからお客様に対しての「提案(解決策)」になるわけです。

この提案の中に、営業マンが販売する商品等が入ってくると、先ほども述べたとおり、お客様はその商品等を喜んで買ってくれることになります。

それでは、次回からはこのような方法で「戦略」を作成するとどうなるのかということを実例を挙げて御紹介したいと思います。

 

 

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