5.これじゃあ無理でしょう

商品の差別化もできない。

そんな業態ではたして業績を上げることはできるのでしょうか?

売れるか売れないかは商品しだい。

あきらめにも似た雰囲気が・・・。

でも、そんな中でも売れる喜びを感じ場面があります。

それがヒントです。

はてさて、いったいどのようにすればよいのでしょうか?

 

(1) 業績を上げる研修

前回では次のことをご理解していただきました。

1.システムというのは、決して無機的・機械的なものではなく、「人が動かす」という血の通ったものであること

2.今後のシステムは、効率化を狙ったものではなく、売上高・産出高の向上という効果性を狙ったものでなければならないこと

3.システムの部分的変更は、システム全体に影響を与えること

4.経営もシステムとして捉えることができること

5.これからの人材教育も経営全体をにらんで実施していかないと効果が出にくいこと

そこで、前回お約束したとおり、経営全体をにらんで研修を実施していくと、どれだけ効果が出やすいのか、実例をご紹介したいと思います。

但し、実名を出せない都合上、一部フィクションを交えて物語風にさせていただきます。

 

(2) 泥臭い営業活動

私は現在、従業員2,500人を抱える企業の研修担当課長です。 約7年前にこの業務に着任し、それなりの成果を出してきたつもりです。

私どもの業界は、非常に特殊で、商品の差別化は我々の手では一切できません。

しかもエンドユーザーは、どの店で商品を買っても値段は同じです。

このような状態の中で、我々の会社は、商品をメーカーから仕入れ、小売店に販売するという商社機能を担ってきました。

売上高は19 × × 年当時で約5,000億円、そして、19 × × 年度は8,000億円の予定です。

これまで業界第2位でしたが、この売上高の達成で念願の1位になる予定です。

様々な追い風はあったものの、ライバルを追い抜く可能性が出てきたのは、現場の営業マンを始めとして全従業員の努力の賜物と我ながら感心しています。

私自身、この業務に着任するまでは、入社以来営業現場の第一線で、日本全国を転々としながら営業活動に邁進してきました。

そのため、営業の酸いも甘いも実感しているつもりです。

特に商品の特性上、差別化が全くできず、しかもヒット商品が出れば我々も小売店も同様に、何の営業努力をすることもなく売れてしまうのです。

このため、営業に対する社内での認知度は低く、営業会社でありながら、営業を軽視する傾向がありました。

このような事情から、営業の日々の活動はというと、小売店からの集金であったり、小売店に対する商品の発送であったり、小売店から出てくるクレーム処理であったり、またお付き合いの接待であったりと、本来の営業とはかけ離れたことにずいぶんと時間をかけてきました。

しかも、入金率の悪い小売店は不本意ながら、取り引き停止に追い込まねばならず、「新規開業時のえびす顔、支払い滞納時の閻魔顔」と、まるで金融屋になった心持ちでした。

そんな中でも、私のつたないアドバイスを受け入れてくれて、小売店が模様替えしたり、増床したり、支店を出したりと、新しいことにチャレンジしながら売り上げを伸ばし、「あなたのおかげ」と感謝の言葉をかけられるのは営業冥利につきる醍醐味でした。

 

 

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