前回は、
部下の能力を最大限引き出して
自主的に動いてもらうようにするためには、
Y理論の人間観が求められる。
という解説をいたしました。
でも、
人間はサボることもあれば、
やる気の出ないときもあります。
これは、
どのように考えればよいんでしょうか?
Y理論とは、
「人間は、条件さえ整えば、
生来働くことが好きな存在である」
という考え方です。
ということは、条件が崩れたら
「働くことが嫌いになる」
ということも言っています。
つまり、
サボったり、やる気のないときというのは、
条件が崩れているからであり、
その人そのものの人間性は
関係が無いということです。
言い方を変えれば、
その人がもともと怠け者なのではなく、
たまたま怠けてしまうように条件が崩れているか、
怠けてしまうような条件がそろっているか
のどちらかだということです。
ただ、
ここで注意すべきは前回も申し上げた通り、
あくまでも上司が部下を見るときの見方・考え方であり、
本当に部下が怠け者かどうかは考慮に入れないことです。
要するに、
「上司が部下を怠け者」だと見てしまえば、
これはX理論の人間観なので、
「アメ・ムチ」だけで
部下を動かすことになります。
しかし、
Y理論の人間観に立てば
「条件が崩れている」と見るので、
どの条件が崩れているのかを見つけて、
それを立て直そうとします。
そのためには、
「アメ・ムチ」以外に様々な手段を
用いることになります。
ちなみに、
「条件」にはどんなものがあるかというと
1.働く場所の物理的環境の良し悪し
2.職場の人間関係の良し悪し
3.仕事内容の難易度
4.設定目標の高低
5.就業条件(勤務時間や給料、休暇など)の良し悪し
6.福利厚生の良し悪し
7.私生活の順調不調・・・etc.
が考えられます。
他にもたくさんあると思います。
上司であるあなたが、
部下の方とコミュニケーションをとるときに
常に意識して欲しいことがあります。
話題は、
世間話でも仕事の話でも構いません。
そのときに、
「部下のモチベーションの源泉はどこにあるのか?」
を、常にアンテナを張って
探し続けていただきたいということです。
このことを押さえていると、
部下を前向きにさせるときや
困難を乗り越えさせるときに、
動機づけがしやすくなってきます。
では、
部下に目標を設定させるには
どうすればよいんでしょうか?
では、また次回。