非常時の目標設定時は、刻々と結果目標が変化します。
いわば、平常時なら1年掛けることを1ヶ月で行うようなものです。
例えば、火災が起きたときの最初の結果目標は、「火災を鎮火する」ですね。
では、火災が鎮火したら?
「火災後の片付けを行う」ですね。
その次は?
「再起のための活動を行う」ですね。
このように、時系列で、「結果目標」が変化します。
その「結果目標」を達成するために、もっとも力を入れる「重点目標」があり、その「重点目標」を実現するために、日々行う「行動目標」があります。
例を挙げると次のようになります。
1.火災が起きた場合
結果目標:火災を鎮火する
重点目標:短時間で対応する
行動目標:消火器で消化する(消防署に連絡する)
2.滑空中の飛行機事故の場合
結果目標:着陸空港を決める
重点目標:管制塔とコミュニケーションを密にする
行動目標:高度管理をして安定飛行する(乗客を安心させる)
3.現在の飲食店の場合
結果目標:事業を守る(潰さない)
重点目標:資金の手当てをする
行動目標:金融機関と交渉する
飲食店の場合は、資金調達ができたら、各目標は次のように変化します。
結果目標:事業を継続する
重点目標:顧客を探す(作る)
行動目標:簡単調理パックを販売する(デリバリーを行う・テイクアウトを行う)
ただし、「重点目標」は各店別に異なります。
なぜなら、内部資源の強みや弱み、外部環境の機会と脅威が異なるからです。
いずれにしても、非常事態だからこそ、明日、明後日の結果目標を明確にして、その実現のために、どこに力を入れて、日々どんな行動をとるのかを決めておく必要があります。
さもないと、もぐらたたき状態になり、疲弊してしまいます。
人間は、目的や目標に向かって動く動物です。
まずは、目先の「結果目標」をたて、その目標に向かってどこに力を入れるのかという「重点目標」を決め、その目標実現のために日々行う「行動目標」を決めてください。
そして、月並みですが「PDCAのサイクル」を回していただくことで、疲弊感を少しでも少なくして、前向きなやる気を引き出していただきたいと思います。
そのうえで、リーダーの場合は、今の「結果目標」だけでなく、次の「結果目標」も考えておいて、前の「結果目標」が達成する前に、次の「結果目標」を示してください。
なぜなら、非常事態だからこそ、一度気が抜けると、再度モチベーションアップするのは難しくなるからです。