人事評価制度を何のために使っていますか?
多くの会社さまでは、従業員の方のモチベーションアップに役立てていらっしゃいます。
しかし、なかにはまだまだ評価や査定のためだけに使っていらっしゃる会社さまもあるようです。
ただ、それではあまりにももったいないですね。
では、モチベーションアップに使うとはどういうことでしょうか?
一つには、評価や査定の結果が給与や賞与・インセンティブに紐付くということですね。
しかし、お分かりの通り、給与等を上げるだけでモチベーションアップにつながるとは限りません。
なぜなら、給与等は「有って当たり前」のもの、言い換えれば「衛生要因」だからです。
給与等は少ないよりは多い方が良いに決まってます。
しかし、むやみやたらに多くしたこところでモチベーションアップには役に立ちません。
単純に「もっとくれ!」となるだけです。
では、あればあるほどモチベーションアップにつながるものは何でしょうか?
それこそ、賞賛であり、やりがいですね。
これが「促進要因」です。
もちろん、最低限の給与等の保障があってこそですが・・・。
なので、評価や査定によって給与等に連動させることはもちろんのこと、賞賛ややりがいを感じられるように評価制度を使っていただきたいんです。
それはいったいどうすれば良いのでしょうか?
簡単です。
評価や査定の時に、できたことは「褒める」ことです。
そして、できていないことには「改善を促す」ことです。
ただ、「褒める」にしても「改善を促す」にしても「あるべき姿」が必要です。
その「あるべき姿」に近づいたから、達成したから、超えたから「褒める」ことができるんです。
また、「あるべき姿」に近づくために「改善を促す」ことができます。
そして「あるべき姿」が「定量目標」や「定性目標」として事前に決めていることが大切です。
「定量目標」はいわゆる業績目標です。
売上や利益とは限りません。
効率性をあげたり、ミスを減らすといった類のものも「定量目標」になり得ます。
これは、会社として決めてしまっても良いでしょう。
なぜなら、その「定量目標」を実現しないと会社は倒産してしまうからです。
しかし、「定性目標」は自分で考えていただくと良いでしょう。
その「定量目標」が達成したときに「どんな自分になっているのか」という「自分の姿」だからです。
これは、会社の中での立ち位置や、顧客からの評価などを参考にして考えていただくと良いでしょう。
この「定量目標」と「定性目標」がセットになって「あるべき姿」、言い換えると「個人ビジョン」になります。
しかも、この「個人ビジョン」が「会社や部門のビジョン」に連動しているとどうでしょうか?
組織の一員としてのやりがいにつながる可能性も大きくなります。
人はやはり一人では寂しいです。
誰かに、何かに貢献しているという実感があると、うれしいです。
だからこそ、会社や部門の「ビジョン」「戦略」「目標」を決め、それを個人の「ビジョン」「戦略」「目標」に連動させる必要があります。
このあたりの連動のさせ方については、下記をご参照ください。
いずれにしても、個人の「ビジョン」「戦略」「目標」が会社や部門の「ビジョン」「戦略」「目標」に連動し、そこに近づき、また達成しているか、超えているかという観点でのフィードバックが、「褒める」ことや「改善を促す」ことにつながります。
そのうえで、その結果が「給与等」に結び付くといかがでしょうか?
すると、「衛生要因」を満たしながらも「促進要因」を満たすことにもつながります。
ゆえに、十分にモチベーションアップにつなげることができるということです。